二人のレジェンド | がんちゃんの雪山讃歌

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石川の山スキーヤーがんちゃんが登山、山スキーを中心とした日常生活や山への想いをつづります。
ヤマレコもやってます。(HN:Sanchan33)

昨日はYSHR先生、名人さんという山スキー界のレジェンド二人と平湯でスキーを楽しんできた。

お二人と山スキーへ行くのは当然初めてではないしむしろ日常的になっているが、実は3人での山行は今回が初めてだった。

 

地獄軍団に入団?する前からお二人のことは良く知っていたし、その当時はとても手が届かない存在だと思っていた。

登山を始めてまもなくYSHR先生という山スキー界のレジェンドが自分が住んでいる石川にいるということを知った。

同時に自分の出身と同じ山梨に住んでいる名人さんという山スキーヤーと一緒に行動されているということも知った。

勝手に親近感を持ちつつも、一方でせっかくこんな近くにレジェンドが住んでいるのに(一緒に行動させてもらえる環境にあるのに)自分は指をくわえて記録を眺めているだけでいいのかという葛藤もあった。

 

その後、単独あるいは石川ミリオンピークスのメンバー達と山スキー山行を重ね、ある程度の体力と技術がついたところで地獄軍団の門を叩いた。

そして初めての地獄山行となったのがまさにYSHRセンセーと名人さん、兄ちゃんと同行させて頂いた火打山だった。

 

北陸界隈のメジャーな山スキールートはほぼこの二人が開拓してきたと言っても過言ではない。

北陸のみならず大多数の山スキーヤーがセンセーのブログに掲載されている2人が開拓した記録やルート図を多少なりとも参考にしてきたのではないだろうか。

 

そして一緒に山行するようになった今でも山スキー界のレジェンドだと思っている。

例えるならF1でいうところのセナやプロスト、競馬でいうところのオグリキャップ!?(地方競馬から中央競馬に参戦してG1制覇)、野球なら野茂、イチローや松井、サッカーなら三浦カズみたいなイメージかな。

2006年頃のYSHR先生と名人さん。センセーのHPから盗んできた(笑)

 

ただスキーが上手い人、体力がある人という断片的なスキルの持ち主なら世の中にたくさんいると思うが、2人がレジェンドたる所以は他の人がやらないことにチャレンジし続けていること、つまりパイオニア的な要素が大きいこと、それから長い間登山と山スキーに対するモチベーションを維持し続けられていること、それとルートやコースタイムを含む山行記録を惜しみなく公開し山スキー界に貢献していることだと思っている。

 

これだけ長い間ハードな山スキーを続けていれば何度も大けがや事故を起こしてもおかしくないのだが、これまで軽傷はあっても大きな事故には至っていない。

 

毎週二日のペースで山へ行き続ければどこかでプッツリモチベーションが途絶えてもおかしくないと思うが20年近くこのペースを保ち続けられているのは奇跡的だと思う。

 

そして記録の公開についてだが、一般的な山スキーヤーの考え方としては良いルートがあればできるだけ他人に教えたくないと考えるのが普通で、これだけ片っ端からルートを公開するのは異例だと思う。

これは美味しいルートを公開してしまうことで斜面が荒らされたり駐車場問題が発生することを避けるため、或いはガイド登山を生業としているガイドさんの立場に立つと、商売が成り立たなくなるという側面もある。

だが、センセー達が公開してきているルートは自ら開拓したルートなので人にとやかく言われることはない。

パウダーを奪われる件についても奪われたらまた新しいルートを開拓すればいいし、そもそも奪われないような、人が真似できないようなハードな山行をすれば良いという考え方に基づいているものと理解している。

 

セブンサミットをやったり色んな賞をもらったりと、目に見えるような形での偉業は成し遂げていないかもしれないが、これまでの実績は他の誰にも真似できない偉業だと思っている。

 

そんなレジェンド達と山スキーを楽しみながら自分を高められる環境に身を置けているのはとても幸せなことなんだと思う。

去年12月の白山。YSHR先生と。

 

同じく去年2月の赤石岳。名人さんと。