忙しくて見落としていました…。治療へ実践導入される日が目前に迫ってきたようです。

放射性医薬品「ルタテラ®静注」の製造販売承認取得のお知らせ
-神経内分泌腫瘍の新たな治療選択肢となる「ペプチド受容体放射性核種療法剤」として国内初の承認-
https://www.fujifilm.com/fftc/ja/news/262

≪転院への壁≫

NETに関して、最も多くの症例を経験しているのがT大学病院だということが分かったものの、それだけの理由で転院先を決めていいものなのか疑問がありました。
それに、当然のことながら転院には患者である母の意思が最も重要ですし、家族の意見も尊重しなければなりません。

実際、母は、肝転移があっても無症状で日常生活に何一つ問題がない状態だったので、いつか手術を受けなければならないことは理解していましたが、副作用の強い薬物(特に、抗がん剤)を使って、かえって生活の質が悪くなることは嫌がっていましたし、転院する場合の労力や事務手続が気になるようでした。
また、家族内にも、転院に賛成する意見もあれば、すぐ転院することに異を唱える意見(Z大学病院で手術を受けてからT大学病院に転院すべきとの意見)もありました。

そのため、私は、T大学病院に転院した場合、どのような治療が受けられるのか、専門外来をやっている先生はどういう先生なのか、他の病院と治療方法や診療体制に違いがあるのか、などについてリサーチしてみました。

その結果、T大学病院では、
 肝転移の治療に関しては、おそらく薬物治療(分子標的療法やホルモン療法)を行ってから手術の可否を判断することになること
 専門外来のメリットとして、薬物治療から手術までを一人の先生が診てくれること(いくつもの診療科を回らなくてよいこと)
 専門外来の先生も患者の利益を第一に考えて治療方法を提案してくれる先生であること
などが分かり、母や家族も転院する方向に傾きました。

ただ、セカンドオピニオンを受けてから転院した方がいいのか、転院のタイミングをどうするのか、この点についてはなかなか答えが出ませんでした。

(続く)

≪病院選び≫


NETに限らず、病気の治療に関しては、その症例をより多く経験している病院の方が治療成績が良い傾向にあると思います。
(症例を多く経験するから治療実績がよくなるのか、治療実績が良いから患者が集まるのか、その関係性はよく分かりません。)


ただ、NETの場合、希少な病気ゆえ、各病院が公表している診療実績の中で、「NET」に限定した症例数を公表している病院はほとんどありませんでした。
そのため、私は同病の方のブログを見たり、NETの講演会(市民講座)に参加するなどして情報収集したのですが、私が情報収集した中では東京近郊でNETの治療・研究を積極的に行っている病院は数病院しかありませんでした。
(ここでいうNETの治療・研究を積極的に行っている病院というのは、診療ガイドラインに基づく標準的な治療~新規治療の開発、診療ガイドラインの改訂に携わっている病院という意味です。)
 

その中でも圧倒的な症例数を経験しているのがNETの専門外来があるT大学病院であり、現在の主治医でした。

私の母は昨年、P-NETの肝転移判明後、膵腫瘍の切除手術を受けたZ大学病院から、現在治療を受けているT大学病院へ転院して治療を受けています。
忘れないうちに転院するに至った理由、その際の病院選びなどについて書き残しておきたいと思います。

≪転院した理由≫


一番大きな要因として、Z大学病院のNET治療に関する知識・経験、インフォームドコンセプト(説明)に不満があった、という点です。


NETは希少な病気ゆえか、都心部にあるZ大学病院ですら、あまり多くの症例を経験しているという雰囲気はありませんでした。
また、膵腫瘍の切除手術後、経過観察中の診察の際、当時主治医だった肝胆膵外科の医師にNETという病気のことや治療方法について質問をしても、
「確立した治療方法はない」
「次回の診察までに調べておきます」
という回答だけで、前向き・明確な回答をもらえたことは一度もありませんでしたし、その後の診察の際に質問に対する答えがもらえたこともありませんでした。
 

そのため、私の中では、肝転移など、転移や再発が見つかった場合には、Z大学病院には治療は任せられない、NETを専門的に治療している病院に転院させよう、と心に決めていました。

先週、肝部分切除のため開腹手術を受けた母ですが、経過は順調とのことです。
ただ、順調とはいえ、それなりの開腹手術を受けているわけですから、本人は痛みなどとの闘いだと思います。

入院~現在の経過はざっくりこんな感じです。

手術前日 入院・術前説明
主日当日 手術~手術後、ICUへ
術後1日 一般病棟へ・離床(つまり歩かされる)
     症状:痛み・吐き気あり(痛み止めの副作用)
術後2日 食事再開(お粥)・ドレーン抜去(胆汁漏なし)
     症状:痛み・吐き気あり(痛み止めの副作用)
術後3日 食事・一般食へ
     症状:痛みあり(痛み止めは飲み薬へ)
術後4日 術後、初めてのシャワー

常時つながっている管がなくなって、本人はだいぶ身軽になったと喜んでいます。
抜糸(正確には、ホッチキス止めらしいので抜鉤)した後、早く退院したければ今週中にも退院できそうな勢いです。
シャワーも傷口がホッチキスで止まっているので痛くなかったそうです。
でも、抜鉤は痛そうですね…。