先日、母の手術が無事終了しました。
結果としては、術前に想定していたシナリオの中で、最も最低限の手術(肝部分切除)で済んだとのことです。

腫瘍の個数も、事前の画像診断どおりでした。
手術時間としても、術前に主治医の先生が
「麻酔、開腹や閉腹で少し時間がかかるけど、肝臓の手術自体は3~4時間だから、すぐに終わっちゃうと思うよ」
と言っておられたのですが、その言葉のとおり、9時頃に手術室に入って(おそらく執刀開始は10時頃)、14時30分頃には手術室から出てきました。
術後の説明では、「顕微鏡で見ないと分からないけど、見た感じ、NETでしょう」とのことでした。
主治医の先生をはじめ、執刀していただいた先生方に感謝です。


ただ、いわゆる「J字開腹」で、お腹を結構大きく開いているので、術後、とにかく痛いそうです。
麻薬を使って痛みを抑えているようですが、そうすると今度は吐き気が出てくるようで、なかなか調整が難しいようです。
とはいえ、術後の経過は順調で、最も可能性が高い合併症といわれていた胆汁漏もなく、既にドレーンホースが抜けたとのことです。
あとは早く回復して退院するだけ。
先々のことは病理結果が出てから考えようと思います。

母が膵尾部にできた腫瘍切除手術を受け、その3年半後に発覚した今回の多発肝転移。
来週、それら肝腫瘍の切除手術を受けることになりました。

母は、肝転移発覚後にZ大学病院からNET専門外来があるT大学病院に転院し、約半年間、スーテントとソマチュリンの2つの薬物治療を受けてきました。
この間、主治医の先生から、肝転移の手術可否の判断基準として、以下の条件を示されてきました。

①薬物治療開始前にMRI(EOB-MRI)で肝転移のだいたいの個数と肝臓の容量に占める腫瘍量を確認。

②薬物治療しながら3か月~半年間、経過を観察して「腫瘍の数」が増えないこと。

③肝切除後の残肝容量が40%、かつ、400g以上になること(肝臓の容量は、体重のだいたい2%くらいだそうです)。

主治医の先生によると、腫瘍の多少の大きさの変化は大した問題ではなく、「腫瘍の数が薬物治療でコントロールできるかが重要」、「薬物治療で腫瘍数をコントロールできない場合、手術しても腫瘍をコントロールできない」とのことでした。
実際、T大学病院では、術後に肝不全を起こさないための安全マージンと今後の再発リスクなどを考慮し、MRI画像上の腫瘍数が25個くらいまでを手術対象にしているとのことです。
(画像上で腫瘍が5個あったら実際には10個、25個あったら実際には50個の腫瘍があることを想定して手術に臨むそうです)。

母の場合、体重が約40kgと軽いので、残肝容量の点が心配でしたが、この点もどうにかクリアしたようです。
今回の手術、母が過去2回受けた手術と比較すると「肝臓は血流が豊富で、腫瘍も点在しているので、最も時間がかかる手術」と説明を受けています。
執刀医も1人というわけはなく、主治医の先生のほか、肝胆膵外科の教授先生以下、複数の先生方がチームで行うとのことでした。

手術の詳細はまた別に書きたいと思います。

昨日の厚生労働省の薬食審・医薬品第二部会で、PRRTに用いる「ルタテラ静注」を承認することが了承されたようです。

薬食審・第二部会 新薬5製品を審議、承認了承 エーザイの抗がん剤タズベリク錠など
https://www.mixonline.jp/tabid55.html?artid=71205

記事によると、6月に正式承認される見込みとのことですので、8月頃から臨床現場に投入されるものと思われます。
PRRTで助かるNET患者さんが必ずいるはず…。

PRRTに用いる薬剤が国内での正式承認に向け、一歩前進するようです。

https://www.mixonline.jp/tabid55.html?artid=71108

NET治療の最後の砦として効果が期待されるPRRT。
実施施設は治験を実施した東京医科歯科大学病院や横浜市大病院などに限られるでしょうが、待っているNET患者さんのためにも早く正式承認してほしいです。

久しぶりの更新になってしまいましたが、母のその後の治療経過です。

昨年10月にスーテントの服用を始めたところ、約2か月間の服用で肝転移した腫瘍の大きさが縮小したもものの、色々と副作用が出てしまったため、体調に応じ、投薬量を調整しながら服用してきました。
それでも主治医の先生の目にはスーテントの副作用が目についたようで、
「(母の腫瘍に対して)スーテントが効くことは分かったので、一旦、治療のレベルを落とし、月1回のソマチュリンの注射に変えてみましょう」
という提案をいただき、今年の1月からは月1回のソマチュリンの注射に切り替えています。

しかし、母の腫瘍にソマチュリンはあまり効かないようで、3月に撮影したMRIでは若干の腫瘍増大(腫瘍の数は変わらず)。
NETの腫瘍マーカー、といわれている「NSE」の数値も若干上昇。
主治医の先生から、
「半年間、病勢を見極めてきて、腫瘍の数が増えなかったので、手術して腫瘍を取ってしまおうか」
という提案をいただきました。

現在、手術に向けて様々な術前検査を行っているところですが、手術日がコロナの影響次第ということで流動的な状況です。
都内でコロナ治療の最後の砦の一つであるT大学病院。
徐々にICUがコロナ患者に占拠されつつあるそうです(昨年の第一波の時は一旦、全ての手術が止まったそうです。)。

とりあえず、無事に手術が受けられることを願うばかりです。