アビガンとモノクロール薬とワクチン開発について
「アビガン」
アビガンは、新型インフルエンザ薬としてフジフイルムにより開発された。
ウイルス増幅を抑える効果があるようだ。
2020年5月4日に安倍前総理が効果があれば5月に承認すると述べたが、その後どうなったのだろう。
7月に藤田医科大学で治験をしたが、コロナ感染が下火になり、満足な検体が得られなかったので効果に確信を得られなかったらしい。
その後、10月16日にフジフイルムが承認を申請した。
現在、一部の病院で使用している。
軽症者や中等症に効果があるので自宅療養で使用すれば、治療出来る。
早く飲ませると効果があるそうだ。
しかし、重症患者への効果は十分とは言えないらしい。
高齢者に早く投与すればすぐに重症化しないので入院する重症患者を受け入れる病院も有難い。
田村大臣に質問したら、治験の結果を待っているそうだ。
インドやインドネシアで既に承認され、中国では、ジェネリック薬として使用している。
妊婦には、副作用のため使用禁止である。
5月承認の筈が何故遅れているのか?
想像だが厚労省は、フジフイルムが薬剤開発の実績がないため承認しないのか?
前例主義で縦割り行政の悪しき習性なのか?
それとも、過去のサリドマイド薬害事件の苦い経験があるからか?
第二波の時に多くの感染者が出たので多くの治験結果が得られた筈なのに、やる気がないのか?
米国のレムデシビルは、特例承認したのだから、アビガンも緊急承認出来る筈だ。
12月は、感染拡大している寒い時期だから、早く承認すれば、治療薬も種類や量が多くなるので病院と国民は待ち望んでいる。
「モノクロール抗体薬」
米国で今年の2月か3月に開発された薬。
日本では、島根大学医学部で臨床試験が行われている。
抗体を中心として作られた薬でコロナウイルスに感染して回復した人の血液からB細胞(免疫細胞)を取り出して作られた。
イーライリリー社のモノクロール抗体薬は、ウイルスを99.97%減らせた。
重篤な副作用がない。
副作用として船酔いのような症状や関節が痛くなる症状がある。
この抗体は、人の体内から取り出したものだから、体内のたんぱく質と同じで安全である。
今、世界で開発されているワクチンは、コロナウイルスのスパイクのDNAを使用した遺伝子組み換えワクチンだから、ウイルスの遺伝子をヒトの筋肉へ注射するので、重大な副作用があるのではないか?
問題は、10年~20年後に重大な副作用が出るかもしれない。
ウイルスの遺伝子を直接人体に入れて筋肉細胞が抗原を合成して、その抗原に対して白血球が抗体を作成し、免疫体制を確立してから、ウイルスが侵入すると抗体がスパイクと結合してウイルスを非活性化させるワクチンである。
その抗体が人体内の全部のウイルスを非活性化出来るのだろうか?
今までのワクチンは、鶏卵法で作成してきた。
鶏卵法は、鶏卵にウイルスを接種して培養し、弱毒化や不活性化させてワクチンを作成してきた。
今、世界で競争してワクチンを開発しているが、すべて遺伝子組み換えワクチンなので世界中で人体実験を行うことになる。
「より安全なワクチン開発」
ウイルスに感染して回復した人の血液から作られる抗体からワクチンを製造出来たら、DNAワクチンより安全になると思うが。
また、時間がかかるが鶏卵法で開発したワクチンが安全だと思うのだが、世界で感染増大の現状を見れば、待てる時間がない。
感染して回復した人の血液を使う方法か、鶏卵法かでより安全なワクチンを日本で開発して欲しいと願う。