奥山篤信の映画評 : アメリカ映画『インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌 | 護国夢想日記

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 日々夢みたいな日記を書きます。残念なのは大日本帝国が滅亡した後、後裔である日本国が未だに2等国に甘んじていることでそれを恥じない面々がメデアを賑わしていることです。日本人のDNAがない人達によって権力が握られていることが悔しいことです。



奥山篤信の映画評  アメリカ映画『インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌(Inside Llewyn Davis)』2013

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1961年のニューヨーク・フォーク・シーンで活動していた歌手の生涯の一週間を描いた映画だ。


1961年といえば僕は中学生、ケネディ大統領でベトナム戦争が始まったころだ。でも映画の描くニューヨークは僕の最も愛する街(1986年から92年)の雰囲気は同じである。


日本の街はメチャクチャ変容するが欧米の大都市は結構変わらないのだ。
フォーク歌手デイヴ・ヴァン・ロンクの自伝をヒントにしている。


なにしろ僕の尊敬するコーエン兄弟監督・脚本・編集による映画で絶対に見逃せない。映画はまさに兄弟の天才的手腕がもろ実現している、従来の映画と一見タッチは異なるが、流石天才兄弟のこの映画は僕の本年のベストテンの上位を占めるのは間違いない。


とにかく理由無くこの映画の流れ、フォークソングを主軸にときにはユーモアの笑そして時には時代背景そして僕の懐かしいセンチメンタリズムをかき立てるのである。


猫を小道具にして実に見事だし、当時のいわゆる青年たち、まだベトナム戦争の後遺症はない、だから厭世的なニヒリズムがないひたすらな生き様が心に響くのだ。


痴呆症の父親に彼が好きだった曲を聴かせる場面に父親が反応を示す場面は素晴らしい。


2013年5月19日に第66回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門で上映され審査員特別グランプリを獲得した。


主演の若手のホープ名女優キャリー・マリガンの演技が光る。この女優は凄い。勿論主役のオスカー・アイザックの演技もゴールデン。グローブ賞男優賞受賞に輝いただけあって見事だ!