「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 プーチン訪中でガス取引は「概要」がまとまっただけだった  | 護国夢想日記

護国夢想日記

 日々夢みたいな日記を書きます。残念なのは大日本帝国が滅亡した後、後裔である日本国が未だに2等国に甘んじていることでそれを恥じない面々がメデアを賑わしていることです。日本人のDNAがない人達によって権力が握られていることが悔しいことです。





「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成26(2014)年5月23日(金曜日)
       通巻第4243号
~~~~~~~~~~~~~~~~
   ♪
 プーチン訪中でガス取引は「概要」がまとまっただけだった
  価格のディテールは未決定、まだ流動的なことが判明した
**********************

 日本ではプーチン大統領の訪中により、中国と露西亜の「軍事同盟」の脅威が語られるが、プーチンの訪中の第一目標はガス輸出交渉の最終合意であった。


 トータル4000億ドルという世紀の大プロジェクトに署名し、プーチンは満面のほほえみで習近平との会談のあと江沢民とも会った。
 だが、その笑顔の写真の裏側では?

 英紙『ファイナンシャル・タイムズ』(2014年5月22日)は、「中国とロシアのガス取引は失敗ではないのか」と書いた。


理由は「具体的な価格交渉の結果がまったく発表されておらず、価格決定はなおも流動的。おおまかに向こう30年で、総額4000億ドルになるだとうという概要に過ぎない」と報じた。

 その証拠に輸出主体のガスプロム(ロシア国営、世界最大のガス企業)の株価は僅かに1%上昇したにとどまった。投資家らは、具体的に殆ど進展がなかったことを憂慮したからだ。

 中国がかくも強気な姿勢を崩さないのには理由がある。
第一にロシアはEUへの輸出に依存しているが、ドイツを除き、ウクライナ問題で輸出が激減している。

 第二に米国のシェールガス開発により、近未来のガス価格がさらに値下げされることが予測されるため、中国はロシアの苦境に乗じて、まだまだ値引きできると強気なのである。


過去十年間、ひたすら価格問題がこじれているのは、このようは背景がある。
   ◇