安倍政権とアメリカニズム・・・・・・・・・・・・・・ 伊藤 貫(言志Vol 13号) | 護国夢想日記

護国夢想日記

 日々夢みたいな日記を書きます。残念なのは大日本帝国が滅亡した後、後裔である日本国が未だに2等国に甘んじていることでそれを恥じない面々がメデアを賑わしていることです。日本人のDNAがない人達によって権力が握られていることが悔しいことです。

安倍政権とアメリカニズム・・・・・・・・・・・・・・ 伊藤 貫(言志Vol 13号)


(事務局員の立場で恐縮ですが、アメリカの自動車部品会社の幹部社員として人生の後半を働き、世界を渡り歩いた体験から、真に構造改革が必要なのは、日本より、声高に叫んで
いるアメリカや特定亜国等である事を信じて疑わない。
 


 失われた20年、デフレ15年、その間 日本はズタズタに破壊された、それによって人生を大きく狂わされた方々の無念さに今でも心が痛む。 


 戦後レジームから脱却、デフレから脱却、日本をとり戻す、危機突破内閣・・・・景気指標の好転から消費税・増税が喧伝さ れているが、15年も20年も多くの国民を苦しめておきながら、瞬間風速かどうかも分から ない経済指標に一喜一憂する事なく、まず安倍さんには、自分の発言に責任を持って多く の国民に応えてもらいたい、戦後レジーム・デフレ脱却できたか、日本が取り戻せたか、
 


 危機突破出来たか。。。。。消費税増税など10年後でも遅くはない!
 

 他にヤルことが山ほどあるでしょう、今の日本を救えるのは、安倍さんしかない!
 

 と思って多くの方々が声なき声で固唾をのんで見守り、応援している。。。
 

 伊藤さんの提言には諸手を挙げて同意します・・・・・・一事務局員の所見です)
 
 自民党が参議院選挙に勝利して、いよいよ「戦後レジーム(=敗戦国レジーム)からの脱却」が始まるらしい。しかし――今さら言うまでもないことであるが――米国務省とホワイトハウスは、日本人が「戦後レジームから脱却」することを望んでいない。


 ワシントンのジャパンハンドといわれる人たちが最近、「日本人は、集団的自衛権を認めることを優先すべきだ。憲法改正は後回しにした方がよい」という“親切なアドバイス” をしているのはそのためである。


 今後、自国の国防予算が長期間停滞し続けるアメリカにとって、「自衛隊を米軍の補助部隊として利用する」ことは、アメリカの覇権維持のために必要なことである。そしてそのためには、日本政府に集団的自衛権を認めさせることが不可欠である。
 


  しかしアメリカにとって、日本が憲法9 条を廃止して「自衛隊が、独立国の軍隊として真の自衛能力を持つようになること」は、決して望ましいことではない。自衛隊がそのような能力を持てば、日本は本当に「敗戦国レジームから脱却」してしまう。そのような事態はアメリカにとって――そして中韓両国にとっても――都合が悪いのである。
 


  日本人の前で「親日派」を演技している国務省や著名シンクタンクのジャパンハンドたちは、「アメリカは、“危険なナショナリスト・安倍” による日本のレジーム・チェンジを阻止すべきだ」という点で意見が一致している。彼らは本音レベルでは、安倍首相に対して好意的ではない。

  「TPP 交渉で、安倍にアメリカの要求をのませる。しかし安倍が9条を変えたり、『村山談話』『河野談話』を変えたりすることは許さない。靖国参拝をやらせない。日本の警官や自衛官の尖閣諸島駐在を許さない」というのが、彼らの“安倍封じ込め政策” の要点である。
 


  いつも同じ指摘を繰り返して恐縮であるが、1951 年のサンフランシスコ講和条約から2013年の現在まで、アメリカ政府の一貫した対日政策とは、「日本を同盟国として使用する。
 

 しかし、日本の真の独立を許さない」というものであった。そして、日本の外務省・財務省・自民党・親米保守の言論機関は、今日でもこの“日本属国化政策” にせっせと協力しているのである。

  独立したがらない日本人 もちろん大部分の日本人は、「アメリカが日本の独立を阻止しようとしているの?

 それならそれで、いいじゃないですか。日本の安全保障は、今後もアメリカさんに任せておきましょう。


 日本が自主防衛しようとすれば、国内政治でも対外関係でも面倒なもめごとが増えるだけです」と感じているだろう。「過去500年間の国際政治を動かしてきた最も重要な要因は、大国間のパワー・バランスの変遷であった。


 いかなる同盟関係も、当事国にとって都合が悪くなれば、あっさり形骸化してしまう」という国際政治の常識を持たない日本人が、「日本の安全保障は、今後もアメリカに任せておけばいい」と思い込んでいるのは、やむをえないことなのかもしれない。
 


 しかし筆者はしばしば、「敗戦後の日本人のアメリカ依存思考は、単に日本人が過去の国際政治史や安全保障政策に無知であるということだけが原因なのだろうか? それ以外にも、重要な原因があるのではないのだろうか?」と感じるのである。


 例えば最近の日本では、「小学生のころから英語を必修にしろ。大学入試や公務員試験にも、TOEFL 受験を必須とすべきだ」という意見が見られる。こういう意見を述べている人たちは、英語をペチャクチャと喋ってみせる日本人が“高級な国際人” であり、そうでない日本人は“国際化についていけない劣等人だ”と思い込んでいるらしい。
 


 そしてこのような意見を述べている人たち――例えば竹中平蔵、楽天の三木谷浩史、民主党の長島昭久など――が“高級な国際人” として頭の中でイメージしている日本人とは、アメリカ人の言動と思考パターンをそっくりそのまま猿真似してみせる“国際人” なのである。


 なぜ2000年の歴史と伝統を持つ日本人が、最近出現したにすぎないアメリカ文明をせっせと真似することが、“日本に必要な国際化だ” ということになってしまったのだろうか?

 アメリカニズムは伝染しやすい病気である
 

 筆者が好きなアメリカの外交官に、ジョージ・ケナンという人物がいる。第2 次大戦後のアメリカのグランド・ストラテジーである「ソ連封じ込め」と「マーシャル・プラン」を考案した人物である。


  ケナンは1930 年前後、ソ連情勢分析官としてバルト海諸国に駐在していた。当時は米ソの国交がまだ回復していない時期であったから、アメリカの外交官はバルト諸国からソ連事情を観察する必要があったのである。
 


 「北欧から米ソ両国の動きを観察する」という立場にあったケナンは、古い歴史と価値規範を持つヨーロッパの諸文明が、歴史を持たぬソ連共産主義とアメリカニズム――アメリカ的な資本主義・功利主義・消費文明・大衆民主主義――に押し流されていることに驚愕し、幻滅した。


 当時、彼は日記に、「アメリカニズムはボルシェビズム(ソ連共産主義)と同様、抵抗力が衰弱した者が感染する病気である。旧世界(欧州)が活力を失えば、洪水に埋没してしまった古い文明のように、これらの地域は『野蛮人の侵略』に押し流されてしまうだろう」と記していた。


 ケナンの記述はあまりにも刺激的なので、以下に原文をそのまま載せよう。

 Americanism, like Bolshevism, is a disease which gains footing in a weakenedbody.

 If the Old World has no longer sufficient vitality to oppose these newbarbarian invasions, it will have to drown in the flood, ascivilizations have drowned before it.
 


 ケナンは当時、米国務省の幹部から、「若い世代のアメリカ外交官の中で、最も優秀な人物」という人事評価を得ていた。その「国務省きっての英才」であったケナンが、自国の文明であるアメリカニズムを「disease(病気だ)」とか「barbarian invasion(野蛮人の侵略だ)」などと日記に書いていたのである。


 アメリカ文明をそっくりそのまま猿真似することが「日本の発展」であり「日本の国際化」であると確信している竹中平蔵や三木谷浩史のような俗物には、なぜケナンのように深い思考力を持つ教養人が「古き良きヨーロッパ文明が、アメリカニズムとボルシェビズムという2つの病気に滅ぼされている!」という危機感を持ったのか、理解できないだろう。


 敗戦国の日本(親米保守と護憲左翼の双方)には、ケナン、ニーー、ウォルツのような哲学的(そして審美的)な文明洞察力が欠けているのである。

 詐欺行為を繰り返す「親米ナショナリスト」
 

 アメリカニズムというのは本質的に拝金主義、功利主義、画一主義である。そのような文明様式をせっせと猿真似することが日本にとって望ましいのか、日本の政治家と官僚は、もうちょっとじっくり考えてから行動したらどうなのか。


 もちろん自然科学、社会科学、工学、軍事学などの分野において、アメリカが日本に優越している部分は多い。われわれ日本
人は、アメリカが優越している分野は正直にそれを認めて、しっかり学んで取り入れればよい。


 しかし、アメリカの金融業、医療業、法律業、一般労働者に対する冷酷な扱い、アメリカ文明の顕著な特徴である拝金主義と功利主義、アメリカ外交の覇権主義・偽善・シニシズムなど、
日本がアメリカに対して明確に「NO!」と言うべき部分も多いのである。
 


 TPP交渉、そして「敗戦国日本から、永遠に自主防衛能力を剥奪しておく」というアメリカの対日政策に対して、安倍政権は明確に「NO !」と言うべきである。


 吉田茂、中曽根康弘、小泉純一郎のように「国民の前では『毅然としたナショナリスト』というお芝居を演じながら、
実際には日本の対米隷従体制をせっせと深化させる」という詐欺行為を、日本は繰り返すべきではない。アメリカニズムを猿真似することは、日本文明の自壊行為である。