「背高泡立草」と『くっついて安心』 | Sancantion【喰(SHOKU)レーベル】アルバムリリース情報!

折に触れて気になることがあったのですが,それは「背高泡立草(セイタカアワダチソウ)」に関する映像になります。

 

いつどこでどぎゃんして見たのかがはっきりしないのですが,記憶の片隅にあるのは,朽ち果てた木造集合住宅の隣り?の「空き地」に「背高泡立草」の群生が繁茂している,というものであったような気がするがです。

 

Sancantionは,1980年代中盤に『緑一色』という楽曲ば生成しましたが,このタイトルはおそらくは,大島弓子さんの「全て緑になる日まで」にインスパイアされて付けられた可能性ばあります。

 

『緑一色』は,KORGから発売されたMIDIシーケンサーSQD-1によって,当初生成されました。このSQD-1は,トラックが2個しかなく,あるインストを録音したら別トラックに移して別のインストを録音,と言うような「ピンポン録音」(音質の劣化はありませぬが)の如き形で楽曲制作を行っていたと思われますが,詳細は全く記憶にありませぬ。

 

とはいえ,それまでテープでしかできなかった録音作業がMIDIデータでできるようになったことは,たいへんな変化でした。録音後にインストの音色を変えたり,フレーズを部分的に差し替えたりと言ったことが可能になったことは,当時としては,まさしく驚愕ものであったのです。

 

そして,その数年後に発売されたのが,"JAZZ'INN"(ペプシコ)になります。おそらく紅茶の炭酸飲料はその後もいろいろなものが,各社から発売されたとは思われますが,それらを殆ど飲んでもいないのに,"JAZZ'INN"を超えるものはなか!と断言できます。"JAZZ'INN"が有ったころは,折に触れて,朝に夕に昼に,行楽のお供に,読書や楽器演奏の合間に,と盛んに飲用しておった記憶ばあります。

 

 

 

 

ちなみに,"JAZZ'INN"の缶には黒猫(Black Cat)のマークが入っていたことを,2022年1月になって知りました。飲用していたころには,全く気がつきもしなかったことと思います。兎に角,炭酸と紅茶の風味−甘味と酸味と若干の渋味−のバランスが絶品であったことは確かなのです。

 

 

さらに,30年近くの時が流れ,『緑一色』は,2016年12月ころに再アレンジを施されて,"Solidago Canadensis"「背高泡立草」というタイトルに改題されました。「背高泡立草」には,場合によるとアレルギ症状を軽減する効能があると言われておりますが,詳細は省略させていただきます。

 

ここで,1984年12月に発売されたと思われる『くっついて安心"Huddle No Trouble"(バルコニーレコード)というコンピレーション・アルバムについて,いささか紹介させていただきたいと思います。セットリストは以下のごとなります。

 

 オームのポリネシア / 少年ナイフ

 ハンティング / サボテン

 ピクニック / サボテン

 ヨット・ハーバー / D-DAY

 箱庭 / サボテン

 一分間 / Cockc'Nell

 花火 / サボテン

 失した遊園地 / D-DAY

 象のパオパオ / 少年ナイフ

 フィッシング / サボテン

 夜の唄 / Cockc'Nell

 ピーチズ / D-DAY

 

Cockc'Nellの楽曲が2曲含まれていますが,どちらもアレンジが異なり,とりわけ「一分間」は初期型ヴァージョンとは歌詞も全く異なります。また,ドラムスは全編リズムマシンによるものになっております。

 

このアルバムの聴きどころは,何と言っても,最多の5曲が収録されたサボテンの楽曲群ではなかでしょうか!

 

とりわけ「箱庭」が素晴らしか!です。

> 空からしか見えない 衝撃の出会いは 真夏の朝夢 醒める

 

「背高泡立草」に纏わるあやふやな模像の数々が,『緑一色』を自身の内部に取り込み,恰も宇宙が果てしなく膨張するかの如く,止めどもなく拡張して行った(秘密集会)ことが,新たに「背高泡立草」を生成する端緒になったと言ってもよいかも(鴨)しれませぬ。

 

 

"Solidago Canadensis (Abbreviated)"「背高泡立草(省略形)」

 

なお,『緑一色』を和了したことは,唯の一度もないことを付け加えさせていただきます。なるほどほど……。