TR-606&TB-303の記憶 I | 【喰(SHOKU)レーベル】アルバムリリース情報!

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だいぶ前にシーケンサーについて2件の記事を書きました。

シーケンサーの記憶 I
シーケンサーの記憶 II


最近になって唐突に思い出したのは,MIDIが登場する前の時代(1980年代序盤)の機器のことです。具体的には,本タイトルにあるように,RolandのTR-606とTB-303を使った楽曲制作方法のことです。というのも,この2種類の機器は,わたくしが初めて購入した音楽用の電子機器と言えるからでございます。

TR-606はリズムマシン,Drumatixという商品名が付けられていました。音は後のサンプリング音源のドラムマシンのようなリアルさはありませんが,プログラム可能で複数のパタンを組み合わせて1曲のリズムを組めるという点では,それまでのリズムボックスよりも自由度は高く,価格もさほど高くはありませんでした。非常に有名なTR-808は高嶺の花で,手の届く存在ではありませんでした。

TB-303は,Bass Lineと呼ばれていましたが,音域の幅は非常に広く,こちらも複数のパタンを組み合わせて1曲のシーケンスを組めるので,モノフォニックシンセ音源付きシーケンサーとでも言えるようなものでした。こちらも音はチープですが,カットオフやレゾナンス,ディケイなどをリアルタイムでいぢることによって,なかなか快感な音を出すことが可能でした。

実機は約20年ほど前に廃棄してしまったので,iOS版のTB-303風アプリのキャプチャを載せておきます。




どちらもリアルタイム入力には対応せず(TR-606のほうは1パタンだけのリアルタイム入力と言えるか?),とりわけTB-303のほうは,ノートや休符を1音1音入力して行くようなプログラム方法で,実際に走らせてみないと,どんなノリなのかが全く予想できない状態で入力していたような記憶があります。

TR-606とTB-303は,DIN Syncという規格で同期させることによって,ドラム+ベース(実際にはベースに限らずモノフォニックのシンセ音)の所謂ベーシック・トラックを制作することができました。このシステムの登場によって,とにかくベーシックトラックの制作が手軽に可能になったことは,たいへんに画期的なことでした。