数ページに渡って意図的に改行の全くない組であることも相まって，読み進むのが非常に困難な作品でしたが，これでもかと細部に入り込んで行く記述に，わけのわからない快感を感じることもあったような記憶があります。
Sancantionのセカンドアルバム"rhinoceros & repetition "「サイと反復」の5曲目，"Three Pieces Continued"という曲は，3枚の絵ではなく，（イントロとエンディングを除いて）3種類の断片を組み合わせて創出された曲です。
これらの3種類の断片は，いずれもほんの思い付きでささっと録音されたものの，その後一つのまとまった曲に発展することはなく，放置されていたものです。これらの断片が組み合わさったのは確か2000年代のことであったと思われますが，2013年にリアレンジを施され，結果的に数十年の年月を経て，3種類の断片が一つの曲に収斂されて完成へと至りました。
別々に聴いたときには全く結びつかない断片を強引に組み合わせることによって差異が生じ，その差異が快感をもたらす可能性があるのかもしれません。例えば，有名な曲では，The Beatles "Happiness Is A Warm Gun"やWings "Band On The Run"など，曲調が一瞬でがらりと変わる感じの楽曲は，このような手法で創られたのではないかなどと勝手に考えております。
"Three Pieces Continued"
https://itunes.apple.com/jp/album/three-pieces-continued/id730850049?i=730850097
http://www.amazon.co.jp/Three-Pieces-Continued/dp/B00G36FS5W/ref=sr_1_9?ie=UTF8&qid=1390172482&sr=8-9&keywords=sancantion