現状の資本主義経済では、実体のない金融経済が巨大化し過ぎたために、経済格差が広がっている。

実体のない利益が大量に発生したり失われたりして、実体のない取引だけで利益を手に入れた富裕層が幅を利かせたり、逆に一気に転落して極貧の生活を送ったり、中には自殺する者もいる。

 

一方で、実体経済でなら、生き生きと輝けるはずの人材が細々と生きている。

そして、その一部が貧しさに耐えられず、犯罪に手を染めたり、自殺に追いやられている。

 

実体経済が回っていないので、自動安定化も働かず、景気が不安定な状態が続いている。

 

実体のない経済活動で生まれた利益には、実質的な価値は無い。

価値とは、実体のある事物の働きによって生まれる。

我々は、実体のある人間である。

物質の圧力を感じて、快不快を感じ、それを喜怒哀楽に変換して、エネルギーに変えて、日々生きている。

エネルギーが価値である。

 

消費とは、電気や燃料が熱エネルギーや、運動エネルギーに変換されることである。

人が価値ある事物に感動したり、熱中したりして、発熱することが、本当の意味での消費活動である。

発熱や運動しないものに実体はなく、価値は無い。

 

しかし、多くの現代人が、実体のないものに価値があると思い込んでおり、本当の価値は実体にしか存在しないということに気が付いていない。

 

結果として、自分にとって本当に価値あるものの目利きが出来ないため、いらない物をつかまされてはゴミにして、無駄な時間を浪費している人が大量発生している。

 

自分にとって本当に価値あるモノのみを消費し、価値のないモノは一切買わないという行為こそが、実体経済を取り戻し、経済を安定化させるための第一歩である。