人口爆発は、イナゴの大量発生と同じで一過性のものである。

生命は今、自然のバランスが保てないほどに増えた人類を、様々な方法で減らしにかかっている。

 

その減らす方法の一つが戦争である。

人間同士を戦わせ、近縁な種だけを残し、多様性を失わせる事で、人類を弱体化させ、ゆくゆくは根絶やしにしようと目論んでいる。

人間の戦いの遺伝子を利用して、殺し合いをうながし、コロシアムの上から観戦している。

戦いの矛先を人間に向かわせるよう、けしかけている。

 

このままでは、人工知能やウイルスなどに滅ぼされる前に、人類自らが破滅する。

おそらく、原始人もこうして滅んでいった。

そして、多様性を保ち続け、助け合う能力を持った人類だけが生き残ってきた。

 

この生命に打ち勝つには、コロシアムに立ってはならない。

殺し合いの場に立たないよう、逃げ切ることで多様性を保ち続けるしかない。

戦う相手は人間ではない。

 

一番の敵は、生命の働きによる「人間を殺したい」という衝動である。

 

だから、戦争をしているものにせっせと武器を供与している場合ではない。

 

殺し合いをあおって、どうするというのか。

 

人類が存続していくためには、まず、全人種を温存しなければならない。

そのためには、殺されそうなものがいたら、逃げ切らせる手助けをし、どちらの人種も残さなければならない。

 

今、人類が生き延びるためにすべき事は、自らの内なる生命の働きによって起こる、敵の攻撃への衝動を、自らの大脳によってコントロールし、昇華させることで、生命に立ち向かう事である。

 

戦いの場は、コロシアムではない。

オリンピックスタジアムの場に立ち、戦いのエネルギーをお互いを高めあうための競争に使うのだ。

ときには個人競技で、ときには団体戦で助け合っていく中で、今ある多様な種を滅ぼすことなく育てあげる。

そして、新しい優秀な混血を生み出し続けていくことが、生命に対する勝利となる。