大脳には今がない。

過去を振り返ったり、未来を思い描く時、視線は、うちに向いている。

大脳に意識が向いている時、過去と未来を生きている。

人類は動くことで立体視が可能になり、見えない未来を見ることが出来るようになった。

 

身体は今この瞬間を生きている。

過去の失敗を振り返り、未来に希望を持つ事で、今の「生」が保たれている。

 

道を進む事で、より先の未来が見える。

動けば動いた分だけ、さっきより先の視界が開ける。

自力で動くことで、外界と自分が切り離された一人の人間であると自覚する。

 

切り離された寂しさをうめるために、未来に向かってまた、動く。