せき、くしゃみ、発熱、発疹、動悸、息切れ、あくび、しゃっくり、物忘れ等々、身体は様々な言葉を発する。

これらの症状は、大脳に対して行動の変容をうながす、身体のシグナルである。

 

こういった異変の気づきやすさは、その人の人生観、経験則による。

自分の命に無頓着な人はシグナルを見逃しやすく、こだわりの強い人は、薬や病院に頼りすぎる傾向が強い。

 

これらの異変は、解釈の仕方で対処方法が変わる。

「物忘れ」を老化ととらえるか、アルツハイマー病ととらえるかで対処方法は変わる。

「動悸、息切れ」を興奮ととらえるか、緊張ととらえるか、病気ととらえるかで、意味合いは全く変わってくる。

 

異変には、直接、間接的、複合的な原因が必ずあり、一つではない。

現代人の中には、非現実的なものを原因だととらえてしまう人が多く見受けられる。

そういう人たちが詐欺の被害にあったり、薬物などの過剰摂取におちいっている。

現代人は忙し過ぎるので、薬物など即効性のあるものに頼りがちだが、本当に効果のあるものは、多くの場合すぐには現れにくい。効果は時間をかけて、遅れて出てくることのほうが多い。

 

異変の中には、今まで出来ていた事が、急に出来なくなるというような、行動にストップがかかるようなものもある。頭では出来ると思っているが、身体がやるなと言っている状態である。

我々は、失敗の経験や、失敗のイメージを刷り込んでしまうと、それと同じことは次にやらないように記憶する。

身体は、その行動をとると失敗すると記憶している。しかし、一度「出来ていた」ために、その「出来ていた事実」にひっぱられて、同じ行動をしてしまう。

記憶は一連の流れなので、「出来ていた→出来なくなった」というプロセスを記憶している。

だから、プロセスを丸ごと変えてやらないと、どうしても「出来なくなる」という結論に向かってしまう。

ゆえに、こんな時は今までとは全く違うアプローチで、一からやり直すつもりで、やり慣れない方法をあえてやって、違う神経回路を開拓するといい。

 

我々は失敗によって、いろいろな方法を試す事で、多様な神経回路が形成される。道が複数あることで目的にたどり着く確率が高まる。

行動力のある人は、方向転換の速い人でもある。

失敗した場合すぐに方向転換する事で、多様な方法を身につける。そして、不測の事態を数多く経験することによって、不測が減り、より多くの予想が出来るようになる。

 

新しい事は、予測不能である。初体験は興奮するが、緊張もする。ワクワクととらえるか、動悸ととらえるかは、その人の個性である。

新しい事をするのは、クリエイティブなことである。

新しさは主観なので、どんなに他者からくだらないと言われても、本人にとって新しければ、それはもうクリエイティブなことである。

どういう職種がクリエイティブとかではなく、どんな単純作業であろうとも、本人にとって意味があり、新しさがあれば、それはクリエイティブな仕事である。

 

クリエイティブな事は、予測できないし、難易度が高い。

やりやすい事ばかりしていると、創造性は失われる。