過去の経験から不安は生じる。

不安なとき、失敗する姿がそこに見えており、対策のヒントが、もうそこにある。

 

失敗の後に成功した方が、すんなり成功するよりも数倍、喜びは大きく、強く記憶に残る。

また、失敗を重ねた後のモノのほうが、出来もいい。

失敗をリカバリーした時の喜びの経験を多く積んだ者は、その後、失敗する事を恐れにくくなる。

 

逆に失敗したことを、とがめられたり、自分の情けなさを過度に嘆いたり、他人のせいにしたりする事を、積み重ねていくと不安体質になっていく。

つまり、不安を恐れるがあまり、身動きのとれない人間になっていく。

 

人は基本的に負けず嫌いなので、悔しさを抑え込まないようにさえすれば、エネルギーに変換出来、「ちくしょー、次はやるぞ」という意欲は湧き起こる。

 

子供は不安を感じないので、好きな事が出来る。

そして、やりたい事をやって、失敗する。

この、失敗した直後の経験が、その後の不安になりやすさを左右する。

ゆえに子供が何か失敗したら、「だから、お前はダメなんだ」と言ってはいけない。

「よくやった」と励ましてやるのがいい。

大脳が発達すると不安を感じる情報量が増えるので、大人になるにつれて、さらに不安になりやすくなっていく。

教育方法いかんによって、不安を過度に感じやすい人間をつくりだす。

 

もしあなたが不安体質なら、失敗したとき、「自分は、よくやった」と、まずは自分で自分を励ましてやるといい。

そして、何が失敗の原因だったのかを分析し、次への意欲につなげる。

この繰り返しで、不安体質は徐々に改善されるはずだ。

 

我々は、なにも失敗しないかわりに、新しい創造的な事を何ひとつ生み出せないという人間を、大量に発生させるという失敗を、繰り返してはならない。