人類は悩むことで大脳を発達させた。
いろいろな思考パターンや行動パターンを試すことで、神経回路の変換の回数を増やし、新しい回路を開拓し進化してきた。
大脳が発達していない幼少期は、真似をすることで、自動的に社会のルールを学ぶ。
大脳が発達し始めると、人間の欲求として、新たな回路を試したくなる。
反抗期とは、「ゆっくり悩ませてくれよ」という、子どもの心のさけびである。
この時、素早い正解を求めさせたり、レールを敷くことで、悩む時間を奪ってはいけない。
人生の大事な局面で、自分で悩んで解決しようとせずに、他人に解決をまかせる人が多く見受けられる。
ハウツー本の普及、自殺や殺人などの短絡的行為は、悩む力を養っていないことに起因する側面もある。
悩みのない人生が幸せであるかのような風潮もある。
しかし、悩みのない人生ほど不幸な人生はない。
思春期や人生の節目節目で、思う存分悩める時間を持てることは幸せである。