youtubeを観ていると著名な方でもカルマとダルマを勘違いしているのが散見される。スワミ・ニランジャンの話では『カルマには良いカルマと悪いカルマがある。良い行いは良いカルマとしてその人の人生や来世に反映され、悪い行いは悪いカルマとして同様にその人の人生や来世に反映される。』

『ダルマは宇宙の法、秩序』

ダルマが何であるのか、インドのTVシリアル『マハーバーラタ』のワンシーンが分かり易く説明してくれている。

マハーバーラタ自体がダルマ(人々も世界も幸せにする宇宙の法)が何でアダルマ(ダルマに反した行いや考え方)が何かを人々に伝える為の王や王妃、数々の勇者や聖人、はたまた魔族まで巻き込んだ冒険にドキドキ・ワクワクしながら先を知りたくなる長大な物語りなのです。

⚜️《ダルマ(だと勘違いしていたもの)を守る》事を口実に自分も周囲もがんじがらめにして、ついには一族と数多の王族を巻き込んだ大戦争マハーバーラタの元々の憎しみの元を作り続けてしまったビーシュマに、ヴィシュヌ神の化身クリシュナは『力と権威の権化ビーシュマ』の攻撃を指一本動かさずに無効化する。

『ダルマとは自分が《自由(自然)》になるもの、かつ人々を幸せにするもの。』と言い切る。

ビーシュマ:「私はダルマ(法)を守ってきた。誰も私を非難することはできないし、誰も私を殺せない。

私はダルマを守るために、人生をダルマに縛られて生きてきた。」

クリシュナ:「ダルマは縛るものではなく、

解放するものです。

もしあなたがダルマに縛られるのなら、それはダルマではなく、保身や、権力の乱用といった別のものだったことでしょう。」

クリシュナ:「私はバースデーヴァ・クリシュナ(宇宙を統べる者、宇宙の法そのもの)。

私の許しがあって、あなたはその権威にあり、私の許しがあって、あなたは自分で死ぬ時を選ぶことができる。

あなたは、この悲惨な戦争を止めることができたのに、あなたの自己中心的な思いから、阻止することを怠った。」

ビーシュマ:「余計なお世話だ。私は一生を賭けてダルマ(だと自分が信じて来たもの)守ってきたのだから、私には自分のやってきたことに対する権利がある。」

クリシュナ:「では、傲慢なあなたを私は滅ぼそう。あなたの為には武器など必要ない。この戦車の車輪で十分。」

クリシュナは権威と保身の塊ビーシュマに本気で向かってゆく。

対するビーシュマが放った矢の猛攻は、クリシュナの前で止まってしまう。

ビーシュマ:「あなたの所へ私の矢は届くこともできないのか?」

神様の力を目の当たりにして畏怖するビーシュマ。

クリシュナ:「世の中が幸いとなることをあなたは考えて、ダルマを守ってきただろうか?」

言い返す言葉もないビーシュマはクリシュナの前に、膝をつき手を合わせて降参する。

それでも怒りが収まらないクリシュナは車輪を必殺の武器スダルシャン・チャクラにしてビーシュマを滅ぼそうとするがその場に居合わせた親友アルジュンの懇願により思いとどまる。

ビーシュマはマハーバーラタの憎しみを生み出したそもそもの『自分のためには良かれと思い無理強いした結婚』の犠牲となって火にまかれたアンバー姫の生まれ変わり(ドゥルパダ王の娘でドラウパディの姉に当たるスカンディン王女)によって自分はタヒぬはずだと言う。

⚫︎Mahabharat Bishma vs Krishna
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