…そしてこのプラーナは、
私達が呼吸している空気の中に生じ、
(空気の動きやそれが在る場所などに)存在しています。
ですから、呼吸が、
プラーナを吸い込み、
プラーナの覚醒についての
主な役割を果たす事になります。
しかし、プラーナを吸い込む為にする呼吸は
「呼吸」でもなく、「空気」を吸い込んでいるわけでもありません。
なぜなら、
パタンジャリの(著した)ヨーガ・スートラに従うなら
「シュワーサ シュワーサハ ガティヒ ヴィ スワーガタハ」
(↑ この部分はスワミジーによる、サンスクリット語でのヨーガ・スートラからの直接引用)
ヨーガ的な概念に従うなら、
プラーナーヤーマは吸う息と吐く息との間にある
ギャップ(空所・隙間)です。
パタンジャリは、吸う息がプラーナーヤーマだとも、
息を吸い込む事がプラーナーヤーマだとも
言っていません。
彼は、
吐き出す息がプラーナだとかプラーナーヤーマだとも
言っていません。
彼は言っています。
シュワース、プラ シュワーサ…
吸う息と吐く息…
ガティヒ ヴィ チェーダハ…
吸う息と吐く息の速度が「留められた時…」と。
そこは転換点ですよね?
その吸う息と吐く息の間の小さな点
「ガティヒ チェーダハ プラーナーヤーマ」がプラーナーヤーマの状態…
つまりクンバカ(プラーナーヤーマの技法の一つで、一定の間、呼吸を留める状態を入れる)だと言っています。
それは流れが変わる事です。
たくさんの人々が、息を吸って、それから息を吐いては
「私はプラーナーヤーマの練習をしているところ!」
だと言っているのを、皆さんご存知ですよね?
もし、今日、初めて聞く結果として、
あなた方が悲しむとするなら、
大変申し訳ないのですが、それは間違いです。
(悲しんでいる)あなた方は、
(プラーナーヤーマでなく)[ブリーズィングァヤーマ](呼吸ヤーマ=スワミジーのジョークで造語)を練習しているのです。
(会場に笑い)
あなたの呼吸の間を延長させること…
息を吸って吐くことにより…
あなたの呼吸が深く永くなるに従い…
呼吸が引き延ばされるにしたがって、
吐く息の前にクンバカをしている間の影響が大きくなります。
もし、あなた方が、
短くて浅い呼吸をしているなら、
吸気を留めておくことは大変困難です。
しかし、
長く深い呼吸をするなら、
それはやりやすくなり、
より有効に、易々と、
長い間吸った息(プラーナ)を留めておくことが可能です。
ですから、私達は自分たちの肉体を訓練しました。
呼吸することにより…
私達の肉体に教えることで…
正しい方法で呼吸をする事の教えに従って。<注:1>
そして、
私達の呼吸が規則正しく、正常に、
統制がとられるようになれば、
プラーナ的な出来事が起こってきます…
様々な呼吸テクニックの練習中に。
ここからがヨーガです…
つまり、人自身が、自らの内側に、
意識を向けるのです。<注:2>
(終わり)
注:1=BSYの創始者パラマハンサ・スワミ・サッティヤーナンダ・サラスヴァティ師が、
世に先駆けて、
誰でも段階的に安全に行える
プラーナーヤーマの手順を弟子に教え、
1966年から発行され続けているBSYの教科書、
APMB(Asana Pranayama Mudra Bandha)で公開しました。
今やそれは世界中で事実上、
熱心なヨーガ教師達が、
自分自身の秘密練習として行っている、
プラーナーヤーマのスタンダードとなっています。
注:2=効果的な瞑想・メディテーションを行うためには、
先にプラーナーヤーマで体内にプラーナを貯えると共に、
外側に向かっている意識を、
内側に向ける事から始めます。
- パラマハンサ・スワミ・ニランジャンアーナンダ・サラスヴァティ
ビハール・スクール・オブ・ヨーガの霊的指導者
Ψ サッティヤーナンダ・ビハール・スタイル・オブ・ヨーガ 東京 Ψ