待ちに待ったこの日がやってきました。中学高校と好きでよく聴いていたフォークグループ、N.S.P。一時期から活動休止していたのですが、復活し、コンサートをすることになったのです。


乏しいおこづかいの中から何枚かLPを買い、リーダーの天野滋さんはオールナイトニッポンの二部担当だった時期があったので、夜中に起きて眠い目をこすりながら朝の5時まで聞いていましたっけ。昨年だったか、CD選書としてアルバムがCD化されていたので特に好きな二枚を買ったのですが、聴きながら「懐かしい~」とひとりで大騒ぎをしておりました。まだ中学高校のころでしたから、コンサートに行かせてもらえるわけでもなく、LPだけでがまんしていました。一度だけコッキーポップというラジオ番組ではがきを読まれたことがあり、コッキーポシェットなるものが送られてきましたっけ。

 

コンサートは5時半からだったので、その前にどうせ都内に出るのならと上野の森美術館で開催中のMOMA展を観に行こうと思い立ち、何十年ぶりかで上野の駅に降り立ちました。子供の頃は、石神井の叔母の家から帰るとき、ここから常磐線に乗って柏まで帰っていたんだなぁ。駅の階段を父にだっこされて降りた記憶と、駅前のおもちゃ屋さんでトイレ借りたのを覚えてますが、母に云うとそれは4歳くらいのときのことだとか(^^;妙なときの記憶が残っているものです。

 

さてさて、上野公園に入るのももう何十年ぶり。娘と落語は観に来ても上野動物園には来てないんですから困った親です(笑)今度卒業記念に連れてこようかしらん。いやディズニーランドのほうがいいって云うかな?(^^;美術館に近づくにつれ見えてくる長蛇の列。うわぁ、これみんな入場のために並んでいるってこと?看板を見ると「ただいまの待ち時間150分」即あきらめました(^^;来週の日曜で終了とのことでちょっと残念なことをしました。平日に来られるかなぁ。

 

時間があまったので有楽町に戻りビックカメラでデジタルカメラを物色。買えるだけのお金は持っていたのですが、即断即決即実行のわたしのわりには購入までにいたらずすごすごと帰ってきました。やっぱり0社の214万画素がいいよねぇ。予算は3万程度。予算にもあうし、画素数も多いし。明日お天気が快復したら、地元のヨドバシとビックカメラで比較して、安いほうで買おう。横浜のヨドバシが行き慣れているんだけど、なにせ店舗が狭いから数展示してないんだなぁ。

 

外苑前で友人に電話。リモートコントロールされて、彼女の都内のお城へ案内されました。いいなぁ。スーパーの上の昭和38年築のワンルームマンション。トイレもお風呂も共同とのことで、仕事が遅くなったりしたときに泊まるのだとか。チーズフォンデュをご馳走になりました。おいしかったぁ。

 

青年館はそこから歩いて15分。開演時間ぎりぎりだったので、物色する間もなく着席。通路際のとても見やすい席でした。ありがとう。

 

場内が暗くなりいよいよ開演。とことこと天野さんが登場。「ども、天野です」うわぁ、生だ生だ。生天野さんだぁ。そしてハンチング帽をかぶり、粋な姿の平賀さん。「平賀です」うわぁ、生平賀さんだぁ。…そして…「ただいま、中村です」このただいまを聞いたとたんに涙がどわーっと溢れてきました。我慢したけど(笑)そう、中村さんはN.S.P後期にフェイドアウトしていなくなっていたんです。今回の復活を聞いたときも、「天野さんと平賀さんふたりだけかなぁ、それは寂しいなぁ」と思っていたのですが、またこの三人で聴くことができて嬉しい~。

 

彼らの曲を聴いていると、頭の中で走馬灯のように夢中になって聴いていた中学高校時代の自分の姿がよみがえってくるんです。当時の家の風景、ステレオがある部屋でひなたぼっこしながら聴いていた自分、自転車を走らせながら歌っていた通学路の風景などなど。そして中村さんの歌声になると涙腺にスイッチが入り、だめです。もーだめ。涙がぼろぼろ出てきてしまいました。懐かしくて泣けてくるって何なんだろうなぁ。郷愁かしらん。「さくら草(雪どけ水はつめたくて)」はぜひ生で聴きたかったので念願叶って嬉しかったです。

 

語りも昔聞いたライブアルバムとおんなじ雰囲気で。天野さんのウケないギャグもありました。中村さんはIT関連の社長さん、という話になったら突然手をあごに持っていって「アイテーッ!(IT)」みんな一瞬きょとん。そのあとざわざわざわぁっと苦笑の波がひろがりまして、そのあと爆笑へ。天野さんてば「皆さん感性鈍ってますよぉ、昔はもっと食いつきよかったですよぉ」ですって(^^;

 

曲のラインナップ、聴いているときは覚えていたんだけど、もう忘れてしまいました(^^;アルバム聞きなおしたら思い出すかも。

 

コンサートといったら休憩無しのぶっ続けというイメージがあったのですが、二部構成の休憩ありでした。休憩時間に売店を物色しに行こうと思ったら、スクリーンが降りてきて、昔のコッキーポップの映像が流れるんです。見逃すものかと結局そのまま3曲見ちゃいました。最初に平賀さんがアップで映ったときに客席から笑いが起きたのはなんだろう(笑)中村さんは雰囲気変わらないです。天野さんと平賀さんはそれなりに年を重ねて今の顔になったなぁって思うのですが、中村さんだけまだ少年のような雰囲気で。元気くん元気かなぁ。そうそう、書いているうちに思い出した。平賀さんのところの未来ちゃんも、もう25歳とのことで、彼氏と沖縄に行っちゃって平賀パパ大慌ての図、なんてお話も出たんだ。それで天野さんが平賀さん以上に未来ちゃんのことを心配している姿がなんだかほほえましかった。ということは、平賀さんの奥様が未来ちゃん生んだ年はもう越えちゃったのねぇ。

 

二部はドラムとキーボードとエレキギターが入って大編成。次々演奏される曲のイントロ聴くだけで「あ、この曲ぅ」と一人イントロクイズ状態でした。

 

「歌は世につれ」では天野さんが感極まって詰まってしまうというハプニングもありました。客席だって感極まっちゃいますよ。みんなの暖かい声援にますます天野さん詰まっちゃって(^^;とうとういったん袖に入ってしまわれました。残った平賀さんと中村さん、「やっぱりねぇ、天野泣くかなぁと心配してたんですけどねぇ」っておしゃべりしてました。平賀さんも云ってたけど、「歌詞が悪い」ですよ。感極まりそうな内容なんだもん。

 

「さようなら」も「夕暮れ時はさびしそう」も、「あせ」も聴くことができてほんとに満足。わたし達も当時の曲聞きたかったけど、彼らも彼ら自身で当時の曲を聴きたかったのでしょうね。途中「では、次は○○○を聴きます」ってセリフがでちゃって大爆笑「オレが聴いてどうする」「夕暮れ…」では二十数年ぶりに中村さんのオカリナ復活、新しいのを買ったんだけど、音が悪かったんだそうで。やはり使い込んだもののほうが暖かみのある音が出せるのでしょうか。

 

まさに中学時代のわたしへのプレゼントのようなひとときでした。舞台上の彼らを見ながら気持ちは中学高校へとタイムスリップしていました。そして、スペシャルビデオの申し込み書があって、そこに来場者特典として、名入のサインをつけてくれるとか。迷わずわたしは旧姓のフルネームを書いて出してきました。昔のわたしへ今のわたしからのプレゼントです。