訪問看護の契約 | 紗奈

紗奈

急性骨髄性白血病(M7)を発症し1年3か月の闘病の末天国へ旅立った娘を持つ母親の患者家族としての記録

木曜日訪問看護ステーションの所長と看護師さんが来てくれた

 

結局通っている精神科の系列の事業所に決まったので話は早かった

 

 

 

主治医からの要請と私の希望にズレがないか

 

何をするのかしてほしいのか

 

訪問の曜日と時間

 

簡単にそんなことを話し合った

 

特に私から何か言うことはなくただはいはいと聞いていただけだったが

 

 

契約書を作成することとなり書類2枚に住所氏名年齢を記入した

 

訪問看護に何を希望しますか?という質問があり悩んでしまった

 

実際何をしてもらえるのかわからないし、自分がどうしたいのかもわからない

 

どんなことでもいいと言われ余計にわからなくなる

 

 

しばらく悩んで「話がしたい」と記入した

 

私は誰にもにゃんの話をしていない

 

親兄弟、友人の誰にも

 

主治医にも細かいことは話せていない

 

 

唯一吐き出すのはここだけだった

 

人の前では元気で明るく

 

にゃんがいた頃と何も変わらないように

 

友人を困らせたくない

 

親にはこれ以上傷つけられたくない

 

ただそれだけだ

 

 

 

本当はそれでは駄目だと思っている

 

にゃんがいなくなって辛い悲しい苦しい

 

それをきちんと口にして泣いて少しずつ昇華していかなければいけないとわかっている

 

 

 

ただ誰かを自分と同じように苦しめたり悲しませたりすることができない

 

そうなるくらいなら黙って耐えようとしてしまう

 

 

 

多分限界に近づいていたんだと思う

 

だから話をしたいと思った

 

にゃんの話を聞いてもらいたいと思った

 

 

相手も仕事なら聞いてくれる

 

仕事だから流されたりしない

 

仕事だから重荷や負担にならない

 

そういう立場の人に聞いてもらいたい

 

こちらも気が楽だ

 

 

 

慰めてくれなくていい

 

ただ聞いてほしいだけだ

 

 

 

生きているのが辛いと言える場所が欲しい

 

死という言葉を簡単に出せる場所が欲しい

 

 

どうせ死ねないのだから

 

辛くても生きていくしかないのだから