今年の4月頃だったか
映画館でフライヤーを見てから一目惚れし
この夏一番楽しみにしていた映画でした
バレリーナを目指すトランスジェンダーを題材としたベルギーの監督が撮る映画。
という
好みのエレメントが満載であり
簡素ながら魅力的な表情のフライヤー
そこに映る美しい人はまるで
フェルメールの「真珠の耳飾りの少女」のように
わたしの心を捉えた
つらい苦しい痛い
という
少しの幸福感もない作品
ストーリー展開も起伏がなく起承転結があるわけでもない
ドキュメンタリーを見ているよう
ただ多少なりとも誰もが持つ希望を持った
一人のマイノリティーと言われる人間が
その日常を魅せる意味がある作品だったのだろうかとも思えます
人は誰しも
悩み悲しみ苦しみを抱えている
多かれ少なかれはそうなんだけれど
やはり自分には心から理解する機会が得られない
トランスジェンダーという存在ならではの
苦悩というものの1部を
ララを通して少しは教えてもらえたような気がする
幾つかの病気を抱えている苦しみ
それとは比べ物にならない
別次元の苦しみなんだろうな
なんて安易に想像してはいけないような
罪悪感にさえ苛まれる
この映画には説明台詞がない
何もかも全て
主人公ララという主体ありきで描かれている
家族もクラスメイトも医師たちも
ララという存在を認めている上で
展開されている
余計な説明がなくてもよく分かる製作はすごいと思った
ただ
ララが美しいだけに
余計に悲痛で苦しかった。
悩みと苦しみが極限にまで達してしまったララが
ついに実行してしまったクライマックスシーン
その後の
これからのララの人生を少し見てみたかったような気がする
努力は報われ
愛すれば愛される
辛ければ辛いほどその分、後から幸せは訪れる
・・・
そんなことはない
ある場合もあるかもしれないけれど
何かを基準にするとハンディを確実に背負っている
そこからはもう平等も不平等もない
今後のララが
少しでも幸福を感じることができるように
そう祈りつつ・・・
水の描写が多かった点について
また自分なりに噛み砕いてみたいと思います。
とりあえずは
ララの未来に幸あれ