インド エローラ遺跡にて一人妄想劇場
こんばんは。
京都に石ふしぎ博物館というところがあります。
それ見て思い出したのですが、バックパッカーの迷信として、旅先の石などを日本に持ち帰るのは
よくないという話を聞いたことがあります。
オーストラリアのエアーズロックの一部を持ち帰った人は不幸になるという話が発端でしょう。
今のありのままのその姿を楽しむことを大切にし、自然その物に畏敬の念をもつ旅人は多いです。
現地の自然にあるものは、持ち帰らないほうがいいというのは、バックパッカーらしい良い考え方だと思います。
今考えると、「現地のものは持ち帰らないほうが良い。」なんて何の根拠もないですが、腐れパッカーと言われていた僕も、その考えは尊重しています。
けれど今そんなことを旅先で講釈たれたら、若い人にうざがられるんでしょうね。
さて石と言えば、以前にもご紹介したインドはアウランガーバードのエローラの石売りのお話です。
ここでは熱心に石を売るインド人が沢山います。
「スイショウ、スイショウ、ノー タカイ。」
僕は大将と呼びかけられてるのかと思いましたが、実際は水晶でした。
丸っこい石をパカッと割ると、水晶の晶洞を見せられました。
たいしたものではないけれど、小学生の頃に何のことはない石を大事にするようなそんな感覚
が甦り見入っていました。
写真のように他の観光客には、石売りは相手にされませんので、ちょっとでも興味をもった僕の周りは
石売りだらけです。
大小さまざまな鉱石をみせられました。
「いいな~。」と思っていたのですが、上記の考えもあり、はっとして
「こんな石ころに魅了されるはずがない。おそらくこれはインドの神秘の魔性の石。自分は石に魅入られている。危ない、危ない。」
とかなり危ない妄想に取りつかれ、その場を後にしました。
石売りも必至で帰りのバスの中にまで来て石のセールスです。
僕は石よりも妄想に取りつかれているので
「今、根負けして石をかったら、不幸が訪れるかも!バスが事故るかも!」
と思い、必至にいらない、いらないと繰り返します。
最終的に石は30円にまで値下げされましたが、「30円なら…。いや30円で不幸になったらバカバカしい!」
とずっと妄想して買いませんでした。
いま思うと買っておけばよかったと思いますが、一人で長期間旅行をしていると
ときどき冷静さや客観性が失われるのです。こういうときに人は詐欺や盗難にあったりするんです。
インドあたりをうろうろしていると、スピリチュアルな物や考え方に傾倒してしまいがちです。
けれど時々おかしな終末思想とかを口走る旅行者を見かけたりしますが、そういう人をみると
僕の冷静さは甦っていました。あぁなってはいかん!と思ったんでしょうね。
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