この日のブレーブス戦の勝利で、カブスはホーム9連勝。
ここまで本拠地27勝8敗とぶっちぎりの好成績を誇り
メジャー勝率1位を快走する。
4万1624人。
この日リグリー・フィールドに集まったファンの数である。
もちろん、球場のキャパシティに近い数。
実数に含まれていないルーフトップ(球場の通りをはさんで、ビルの屋上で野球観戦を楽しんでいる)
のファンを含めればその数はさらに増し
それは敵地に来たチームからすれば、すべてがアンチである。
この威力、リグリー・フィールドは計り知れない。
怒号、絶叫、悲鳴にも似た大歓声がビジターチームを襲う。
福留はホームアドバンテージの大きさをこう話す。
打席に入っているとき、あれだけ声援していただければ強みになるし
相手投手にとってはいやでしょう。
相手の精神的なものを含めて、僕の方に向かって有利に動くんじゃないでしょうか
この日のメッツ戦は、メジャー300勝左腕のトム・グラビンが相手だったが
今のカブスにとっては、誰がマウンドに立とうと関係ないのかもしれない。
福留の言葉を借りれば「名前で野球をやるわけではない」。
カブスは先発のテッド・リリーが初回に3点を奪われる展開だったにも関わらず
2、3回に2点ずつ奪い、あっさりと逆転した。
口火を切ったのは福留だ。
2回無死一、二塁からグラビンのストレートを左方向へ打ち返す追撃のタイムリー。
微妙な判定でカウント2-0と追い込まれていたが
「甘く入ってきた」3球目を逃さなかった。
福留は7回にもライト前ヒット放つと、今季6個目の盗塁を成功。
マーク・デローサのタイムリーで、貴重な6点目のホームを踏んだ。
ビジターでは3試合無安打と元気がなかったが
またしてもホームで息を吹き返した格好だ。