2008年の松坂大輔の成績は18勝3敗、防御率2.90。
被打率はリーグベストの2割1分1厘だった上に
メジャー1年目の昨季と比べ、ほぼすべての主要スタッツを
向上させたのは立派である。
そして所属するレッドソックスは2年連続ワールドシリーズ進出にあと一歩まで迫った。
「彼が勝ち方を知っていることはメジャー入り以来の実績が証明している」
プレーオフ時のテリー・フランコーナ監督の言葉は
決して身びいきばかりではなかったはず。
残して来た数字や勲章だけを見れば
今季の松坂の実績はほとんどサイ・ヤング賞級だったと言って良い。
そして、特に注目すべきなのは松坂が入団して以来
レッドソックスが着実に「常勝チーム」への足固めをしている点だ。
「ヤンキースの弟分」、「呪われたチーム」などと言われた時代は今は昔。
過去5年間で2度(04年と07年)世界一に輝いたレッドソックスは
ヤンキースとの力関係をすでに完全に逆転させた。
全員が一丸となって勝利に向かう姿勢は野球チームの手本。
投資を惜しまないオーナー、そう明なGMまで含め
全体に確固たる意思統一がなされたレッドソックスは
現代のMLBでいわゆる「モデル・フランチャイズ」に最も近いチームと言って良いだろう。