インターネットでリサーチして知るところからスタート、
高校生さんが聞きました。
「お国のために」「戦場での命を散らすことは名誉なこと」って、自分の命を大切にしてなかったというか軽んじてたってこと?
そっか、現代的な考えは、「お国のために」死ねるのは自分の命を大切にしてないってことなんだな、、、と思いながら、一緒に動画を見て、ネットの記事を読んで、苦しくなって、こう思う、ああ思うと話をしました。
特攻隊に選ばれるのはエリート、、、って、今の偏差値の高い学校に行ったらエリートっていうことみたいな?
「戦場での命を散らすことは名誉なこと」って、今ならプロパガンダって思えるけど、今だって子どもが良い学校に行ったら、親とか親戚とか喜ぶよね?
特攻隊員の遺書の記事を読むと、親とか家族のためっていうのが多かったって書いてあるから、今の勉強頑張って親を喜ばせたいっていうのと同じじゃない?
そっか、、、、今に置き換えて考えている高校生と話すと、新しい視点に気付かされます。
どんな風に特攻隊員が選ばれたのかとか、生存者の方々のインタビュー記事とか、知れば知るほど苦しくなる。
慶應大学から学徒出陣された上原良司さんの遺書は、苦しい辛いもそうだけど、それ以上に考えさせられました。
「権力主義、全体主義の国家は、一時的には栄えるであろうとも、必ずや最後には、敗れることは明白な事実です」
「一器械であるごじん、何も云う権利もありませんが、ただ、ねがわくば愛する日本を、偉大ならしめられん事を、国民の方々にお願いするのみです」
戦時下でもこのように考えるということは、日本の戦前の教育は今よりも哲学していたのでしょうね。
そして、9度の出撃から生還した佐々木友次さんの動画を見て、1ミリくらい救われた気持ちになりました。
早速、鴻上 尚史著の「青空に飛ぶ」を読んでみました。
中学2年生の萩原友人(ともひと)は、伯母の住む札幌を訪れる。学校での凄絶ないじめで心が折れた友人は、高所から「青空に飛ぼう」と決意した。そんなとき、伯母の勤める病院に入院している老人、佐々木友次の存在を知る。佐々木は太平洋戦争中、9回にも及ぶ特攻から生還していた。「死ぬのが当然の状況で、どうして生きていようと思い続けられたんだろう?」。佐々木が所属した特攻部隊の物語と、佐々木自身の言葉を前に、友人の傷ついた心は少しずつ前を向き始める。
ううう・・・・・いくらフィクションって言ってもそのイジメが酷すぎる、、、佐々木友次さんの実話も、気がついたら一気読みでした。
私が感じることと、高校生が感じることは同じじゃないけど、憤って、苦しくて、それでもわからないことを理解しようとして、自ら調べる学びは改めてものすごい知識になると思いました。
そういえば、インターの中学生(学年的には高校生なのかな?)の時にフランス革命を学んだ息子が、日本の高校の歴史のテスト、1年生1学期の人生初めての定期テストで、クラス1か学年1か覚えてないけど、ものすごい成績をとったことがありました。
インター生時代はずっとインターネットに向かっていた息子も、この高校生のように学んでたってことですね。
しかも心が動きまくって自分で学んでるから忘れない、知識がいっぱいのままだったということですね。
そして、自分で学ぶのではなく、教えられて暗記して良い成績を取ることが学びになって、そこに興味を持てなかった息子は一気に全く勉強をしなくなったのですが、たまーにある高得点の理由を「知ってるから」と説明していたのでした。
「青空に飛ぶ」おすすめです。
鴻上 尚史