車のそとに、あのphotographerがいた。
ロックを解除して外へ出ようとしたが、
手がこわばって思い通りに動いてくれない。
拙者の必死の苦労をよそに
彼は開いていた後ろのドアから後部座席へ。
ちょっと気難しそうだった彼が
顔に満面の笑みを浮かべている
彼は拙者を見るなり興奮して言った。
さっきのfighting sceneは凄かったよ。
まるで華麗なdanceを見ているようだった。
何度も繰り返すのだ。
なんと答えていいものか。
役者をやっていて最も嬉しい瞬間かもしれない。
その日の帰りはDirector自ら送ってくれた。
段取りがつかなかったのか、
来るときのボッタクリ代金にびびったのか。
それはともかく、のんきに後部座席で眠り込んだ
room mateを尻目に、拙者は助手席で起きていた
どんなに疲れても、「現場では寝るな」
が日本にいたときの、拙者たちの基本である。
寝ないようにお互いをつねりあったりしてたものだ
静まり返った後部座席。
拙者にしたって、もはや積極的に話す気力はなし
あなたは眠くないの?
寝てもいいのよ
いや、拙者は仕事するために
鍛え上げてますから
ここでもまた感心されてしまった。
頑張った甲斐がありました。