Happy Valentine♡…battle!? | 演技者.Honey Impactの稽古場!

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ファンタジーアクション時代劇を描く
「ファンタジーちゃんばら劇団『演技者.Honey Impact』」
の稽古場日誌です(^^)

楽しい仲間たちとの公演作り!
そしてボイスドラマ作り!

稽古場やレコーディングの様子などをお伝えしていきます!

Happy Valentine♡…battle!?


ここは花丘の国城内。
良く晴れた空に、慌ただしい足音が響き渡る。

バタバタバタバタ!

お涼 「あら?この足音は・・・」

冴 「お涼~~~~~っ!!!」

お涼 「やっぱりw」

走ってきたとたんに話し出す冴。

冴 「ねぇ!聞いてよ~~~!!!」

お涼 「冴さま。どうしました?まだ巳の刻前(午前九時前)ですよ。」

冴 「めっちゃムカつくんですけど!!!」

お涼 「何がです?」

冴 「利明様がね、」

お涼 「バレンタインデーなのに冴様を置いてお出かけ、ですか?」

冴 「お涼も知ってたの?!」

お涼 「えぇ、まぁ。」

冴 「なんで妻の私に内緒だったわけ~!?」

お涼 「妻だからじゃないですか?」

冴 「えぇ?」

お涼 「前もって言えなかったんですよ。
バレンタインデーにアイドルのイベントに行くだなんて、反対されるに決まっています。」

冴 「うん、絶対反対。チケットビッリビリにする。」

お涼 「だから、当日まで隠したんでしょう。」

冴 「えぇ~~~~~しんじられな~~~い。

せっかくチョコレート用意したのに~~~」

お涼 「夕刻になれば帰ってくるでしょう?」

冴 「昼からニコニコデートしたかったの~~~!!」

お涼 「それは残念でしたね。

もう諦めて、夕刻まで待つしかないですね。」

冴 「あ~~~ムカつく!!」

お涼 「ちなみに、ムカついてるのは利明様ですか?」

冴 「お松に決まってるじゃん!!」

お涼 「でしょうねw」

冴 「なんでわざわざバレンタインデーにイベントするわけ?」

お涼 「ファンのためでしょう?」

冴 「いや、私への当てつけだね!利明様を奪う気なんだよ。」

お涼 「人様の旦那様をですか?」

冴 「自分に振り向かせて、自分の価値を確かめる。

そういう女っているじゃん。」

お涼 「でもお松さんにとっては、利明様は一ファンでしょう?」

冴 「いやいや。利明様は花丘の国次期当主だよ?

そのことは周知の事実!
お松は、正室である私の座を脅かそうとしてるんだよ!」

お涼 「ここは大奥ですか?
近年稀に見る、女性に真面目な利明さまですよ?

側室を迎える気はなさそうですけど。」

冴 「いやいやいや。真面目だから怖いの!
あんなにアイドルに熱心になるなんて、いつ恋心に変わるかわからない!
お松の策略に違いない!
あ!どこかの国のハニートラップかもしれない!!」

お涼 「冴様、ドラマの見過ぎですよwww」

冴 「あ~もう!!あんなのの何処が良いわけ?

超ぶりっ子アイドルじゃん。」

お涼 「お松さん、可愛いじゃないですか?」

冴 「え~~~?!」

お涼 「歌も踊りもお上手ですし。先日は城下町のお祭りに出演していましたが、お話も達者で面白かったですよ。」

冴 「へぇ~~~」

お涼 「興味なさそうなお返事ありがとうございますwww」

冴 「なんかイベントで、ファンの皆にチョコレート手渡しがあるらしいよ。

こ~~~んなちっさい箱の。」

お涼 「アンチこそ調べているものですね。」

冴 「私はめっちゃデカいチョコ用意したもんね!!!」

 



お涼 「大きさで張り合いましたかwww」

冴 「あぁあ~~~今日暇になっちゃったじゃん。」

お涼 「そうですね~。」

冴 「お涼は、今日の予定は?」

お涼 「私も、実はイベントに行くのです。」

冴 「そうなの!?純之進は?」

お涼 「あぁ、うちの旦那さまは、国境の警備に出ておりますので。」

冴 「あ~そうだ、そんなこと言ってた!

純之進、めっちゃ嘆いてたわ!
利雅さまに、またKY発言しちゃったんだろうなwww」

お涼 「純之進さまのKYっぷりにも困ったものです。

今日に限ってはラッキーでしたけどね。」

冴 「お涼、何のイベントに行くの?」

お涼 「私の大好きなBL漫画のイベントです。」

冴 「出たなBL!」

お涼 「そのBL漫画が、この度百花繚乱一座で舞台化が決定いたしまして、そのイベントなんです!」

冴 「百花繚乱一座も良くやるね~」

お涼 「そこで、来場者にチョコレート手渡しプレゼントもあるんですよ!!」

冴 「ん?メンズからチョコもらうの?」

お涼 「冴様。女子が男子にチョコレートを渡すのはこの国だけです。
よその国では、男子も女子にプレゼントするそうですよ。」

冴 「そうなの!?」

お涼 「はい。」

冴 「え~いいな~。」

お涼 「利明様にもその話をしましたけどね~」

冴 「利明様、そういうところ察しないからな~・・・無いな。」

お涼 「まぁwwwww」

冴 「私も百花繚乱座のイベントに付いていこうかな。」

お涼 「断ります。」

冴 「え?なんで?」

お涼 「冴様の推しはどなたですか?」

冴 「推し?」

お涼 「作土さんでは?」

冴 「ん~まぁ。」

お涼 「ではNGです。」

冴 「どういうこと?お涼は、大気のファンじゃなかった?」

お涼 「そうです。しかし、この度のBL作品では作土さんの役が好きなのです。」

冴 「じゃあ一緒に応援したらいいじゃん。」

お涼 「ダメです。私は、同じ人を好きな方とは、ご一緒しかねる主義なのです。」

冴 「えぇ?よく見るやつ~、そういう友達募集~。
『当方○○さんのファンです。○○さんファン以外の友達を募集してます~』ってやつ~~~」

お涼 「そういうことです。」

冴 「お涼も意外とめんどくさいねwww」

お涼 「冴様ほどでは御座いません。」

冴 「そんなそんなご謙遜をwww」

お涼 「冴様に比べたら、私など足元にも及びませんwww」

冴 「またまた、」

尚雅 「どっちもめんどくさいですよ!」

冴 「尚雅。」

お涼 「尚雅どの。」

歩いてくる尚雅。

尚雅 「まったく。ここにいると思いましたよ、冴様。」

冴 「どうしたの?」

尚雅 「どうしたじゃありませんよ。巳の刻半(午前十時)から、小春お義母様とお茶のお稽古ですよ。」

冴 「あ!そうだった!忘れてた~!」

お涼 「これで、午前中は予定が埋まりましたねwww」

冴 「笑い事じゃないよ~。お茶、苦手なんだよね~。」

お涼 「お義母様は冴様に会うのが楽しみなのですから、
稽古というよりは、お話相手という感じで向かえば良いのでは?」

冴 「そうかな~。お義母さま、なんだか完璧で緊張しちゃうんだよね。」

お涼 「冴様も緊張することがあるのですね。」

冴 「そりゃあるよ~~~」

尚雅 「さぁ、冴様。準備もありますし、行きますよ。」

冴 「はぁ~い。じゃ、お涼、イベント楽しんできてね。」

お涼 「はい。」

走り去る冴。

尚雅 「お涼さん、ではこれで。」

お涼 「尚雅どの。」

尚雅 「はい?」

お涼 「今日は、冴様を頼みましたよ。」

尚雅 「まぁ、護衛なんで。いつものことですけど。」

お涼 「今日は、バレンタインデーですよ?」

尚雅 「そう、ですね・・・。」

お涼 「利明様も私も予定があって、冴様のお相手が出来ません。」


尚雅 「はぁ。」

お涼 「午後は冴様とのデート、楽しんでくださいw」

尚雅 「デ、デート!?」

お涼 「そうなると思いますよwww」

尚雅 「お、俺は、いつも通り冴様の傍にいるだけです!」

お涼 「他人から見れば、バレンタインデーに仲良く二人で歩いていたら、デートにしか見えませんけどね。」

尚雅 「ちょっと、お涼さん!」

お涼 「今日は、冴様を笑顔にする使命を全うしてください。
淋しい思いをさせないよう。」

尚雅 「は、はぁ。」

お涼 「あなたにしかできないことですから。」

遠くから、冴の声が聞こえる。

冴 「尚雅~!早く行かないと~!」

尚雅 「はい!今行きます!」

お涼 「頼みましたよ。」

尚雅 「よくわかりませんけど、分かりました。」

お涼 「どっちですか?www」

尚雅 「わかりましたよ!では。」

軽く会釈をし、走り去る尚雅。

お涼 「冴様のことですから、尚雅殿にもチョコレートを用意しているはずです。
明日の尚雅殿の顔が楽しみですね。
相変わらず、からかい甲斐がありますね~www」


今日はバレンタインデー。
それぞれの楽しみが始まる。

おわり