先日お隣りから川魚の焼いたカジカをいただいた。
 冬から早春のこの時期に魚野川で獲れるカジカは脂がのり、焼いたカジカを酒に浸して飲む「かじっか酒」は、左党の人にはことのほか喜ばれる。かじか汁にしても独特の風味がありおいしいものだ。
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                                                  Stillman&Birn GAMMA  14cm X 21.6cm   /  HOLBEIN 
 カジカは、やれ顔つきがグロテスクだ、いやいや、頑固オヤジの顔そっくりだとか、いろいろ言われているらしい。あまりにおいしくて皆が箸で取り合うように鍋を突くために、「なべこわし」などとも言う地方もあるという。
 なるほど、などと感心しながら、いただく前にカジカに感謝しながらスケッチを始めた。
 カジカはメスが産んだ卵が孵化するまでずっと見守るというから、その姿形からくるイメージとは違う繊細で健気さも感じられて面白い。顔つきも小さなチョコンと並んだ目と大きな口、立派なむなびれなどが何となくユーモラスである。散々に言われるカジカがちょっと気の毒だなどと思いながら筆を進めていると、鍋が待っているから早くして、という家内の大きな声で我に返ったように描き急いだ。
 昔はどの川にもたくさんのカジカがいた。夏休みなどには割れガラスや箱めがねで川底をのぞきながら、ヤスを片手にカジカ捕りを楽しんだものだった。懐かしい思い出の一つである。