おおよそ30年前の日本、ぜいたくといわれながらも、
当時小学生の習い事のひとつにピアノやエレクトーンがありました。
わたしがよく遊んだ幼なじみも、
小学1年生の2学期ごろから、エレクトーンを習い始めていました。
彼女の家にいくと、
家の玄関の次の間が板の間になっていて、
玄関あがるなりどーんとそのエレクトーンは置いてあるのでした。
鍵盤には黒と白があり、
手元には赤や黄色、黒などのボタンが左から右で、
ズラーっと並んでおり、そのボタンの切り替えで金管楽器、木管、弦楽器、シロフォンなどの打楽器の音、
ひいてはスネアドラムの音まで出せることが出来、リズムをとるパートもあるなど、
それはもう、圧巻でした。
おまけに足のペダルが音階になっている・・・・・
それらをすべて使いこなして、オーケストラのような音楽がひとりで演奏できる!!
私は、その幼なじみと同じ、エレクトーンをどうしても習いたくて、
父親におねだりしてみました。
その時の私は、なんでも入っているおもちゃばこのようなエレクトーンを自分も使いこなしてみたかったので、
習いたいと言ったはずなのに、父親には聞き入れてもらえませんでした・・・
父親は、今にして思えば、わが娘に音楽を学ばせる機会をうかがっていたのかもしれません。
「エレクトーンもいいけど、音楽の基礎は、やっぱり、ピアノからだよ。」
この一言で、私は、ピアノを買ってもらい、ピアノを習う事になりました。
ピアノの先生も、親が決めてきた先生(知り合いか?)が自宅まできてくれることになりました。
古い昔、芸者だった祖母は、
「習い事は6歳からがよろしい」
と歓迎してくれ、週1回のピアノのレッスンです。
でも、まだ手の力が弱いのか、なかなかすんなりと音をだすのには
根気がいりました。
いっぽう、幼なじみの家でエレクトーンの鍵盤を触らせてもらうと、拍子抜けするくらいカンタンに、
音がだせます・・・・
私は最初、彼女がうらやましくてうらやましくて仕方がありませんでした。
もし、私の希望がスグに叶えられたら、いまでも楽しくエレクトーンを演奏できたでしょうか・・・
わからないのですが、
この、とっつきにくかったピアノを習う事で、
音楽を特にすきになるという役目は果たせたように思います・・・
なにしろ、ピアノは「曲らしい」曲を演奏できるようになるまで、
かなり小学1年生の私に根気と集中力を要求しましたから・・・
ようやく練習曲が弾けるようになったころには、
その嬉しさで、すっかり音楽が好きになっていましたからね。