サマセット・カーニバル | 英国サマセットからの手紙

英国サマセットからの手紙

北海道のような大自然と動物に囲まれたイギリス南西部・サマセット州より、日々のあれこれをはじめ、個人的な疑問、もしかしたら役に立つかもしれない情報…思い浮かんだままに書き連ねて行きます♪

カーニバル”というとゴージャスかつセクシーな衣装を身にまとい

華麗なダンスを繰り広げて大行進するリオのカーニバル的なものを

想像される方も多いと思いますが

ここイギリス南西部のサマセットにもまた違ったカーニバルがあります

 ヾ(@°▽°@)ノ


イギリス国内でもあまり知られていないので

日本で出版されているイギリスのガイドブックにも絶対載っていないカーニバルですが

ヨーロッパからたくさんの観客が毎年詰め寄せるようになり

とっても見応えのあるカーニバルで

サマセットを語るにはぜひ紹介しておかなくてはいけない一大イベント

なのです!


9月後半から11月下旬まで、サマセットを中心に

近隣のドーセット、デボン、ウィルトシャーでも小規模ながら

大小関係なくあちこちの町を舞台に

たくさんの電球とカラフルなペイントで飾り立てられた幾つものフロートが町の中を煉りまわります。

有志を募って作られたカーニバル・クラブがたくさん存在し

1年がかりで何度もミーティングを重ね、テーマを決め、音楽を決定し、

フロートの設計をし、仕事の合間を縫って皆でペイントをし

配線を整え、電球をはめ込み、フロートに乗るダンサーたちの衣装を製作し

ダンサーたちはダンスを考え練習に励みます。


重要なのはラブラブ彼らは皆カーニバルを心から愛しているということラブラブ

すべてカーニバル・クラブのメンバーだけで最初から最後までやり遂げる

その忠誠心は計り知れないものがあります 。゚(T^T)゚。


カーニバルはあくまでも趣味であって、普段は仕事をしていますから

休日や仕事終わりなどの時間をカーニバルのために費やし

それに掛かる費用もクラブで捻出するのです。

 

月々いくらという感じでクラブ・メンバーから徴収する他

クラブ・メンバーでアルバイトのような活動をして資金を集め

実際のカーニバルでは賞金がでるので、それで得たお金はその翌年の製作費に当てることもできます。


ただし、財政難、人手不足によりクラブ・メンバーが一人二人と止めていく零細クラブもある訳で

残念ながら年々クラブ数はジワジワと減少していく傾向にあるのも事実です。


↓フランス革命をテーマにしたフロート

カーニバルは秋から冬の季節に行われますが

イルミネーションも大きな効果を担っているため暗くなる夜8時前後から始まります。


小さな町では1時間ほどの小さなカーニバルが

大きな街では3時間にも及ぶ長丁場のカーニバルが寒空の下行われ

運が悪いと雨が降り出し、観客も震えながら見ることにはなりますが…(苦笑)


カテゴリー別に分かれていて

からだをフルに使ってテーマに沿って踊るダンサーたちと

彼らが乗っているフロートとの統一感が大切なフィーチャー・クラス


テーマに合わせたポーズをとったまま微動だにしないタブロー・クラスでは

その劇的な場面を切り取った一瞬のそのポーズで観客の心を掴みます。


またフロートの大きさによってもまたクラスが分かれますし

大人のクラスと児童クラスもあります。


もちろん一人参加、二人参加、少人数参加のウォーキング・グループもあります。


それぞれのクラブ、グループごとに思い思いのテーマで現れ観客を魅了するのと同時に

実は審査員たちがたくさんポイント地点でジャッジをします ((゚m゚;)


ジャッジのポイント

衣装のクオリティーやテーマとのバランス、ダンスのダイナミックさやテーマとのバランス、

フロートのクオリーティー、明るさ、全体的なバランス、色合い、仕掛けのムーブメントなど

様々な角度から点数化します。


同じ項目をジャッジする審査員は3名いて、カーニバル終了直後にその平均点を算出

それぞれのカテゴリー、クラス別に上位3位まで順位付され

授賞式が行われるという仕組みです。


↓ジョニー・デップが演じて映画にもなったロンドンが舞台の理髪師スウィニー・トッド

大型クラブともなれば衣装係、メイクアップ係や

メカニックな部分を担当するエンジニア、照明係などたくさんの分野の専門家が集まって

質の高い仕上がりになっています。


カーニバルを純粋に楽しむことに慣れてきた場合は

そんな細かい部分を審査員になった気分で勝手にジャッジして楽しむこともできます

 ヘ(゚∀゚*)ノ


↓クリスマス・キャロルがテーマのタブロー(ポーズを決めて動かない)のフロート

クラブはサマセット中のあちこちにあり、それぞれのホームにはもちろん参加しますが

遠方過ぎてフロートを運ぶにも支障を来すこともあり

全てのフロートを見ることができる大きなカーニバルは限られています。


ですから、どの町でも同じカーニバルを見られるという訳ではないんですね。


おススメのカーニバルはカーニバル・シーズンが終わるクライマックスの11月上旬

グラストンベリー・カーニバル(Glastonbury Carnival)

ウェルズ・カーニバル(Wells Carnival)

ブリッジウォーター・カーニバル(Bridgewater Carnival)

大きなフロートのクラブがすべてこちら↑で観られます ヾ(@^▽^@)ノ


写真だけではその迫力をお伝えできないので

公式ウェブサイトをこちらにご紹介します↓
http://www.somersetcarnivals.co.uk/videos.asp


手作りの域を超えた素晴らしフロートが満載ですので

動画で是非お楽しみください♪