本日はヨーロッパのイベリア半島にスポットを当てます。

 ここにはスペインポルトガルの二つの国があります。(もう1か国アンドラが入るかも)

 

スペイン王国

 スペイン語ではエスパーニャなど。語源は古代ローマ語のイベリア半島を示すヒスパニアです。日本語での「スペイン」は英語読みに倣います。江戸時代はエスパーニャにより近いイスパニアと呼んでいました。漢字では日中共に西班牙です。

 中世イベリア半島の中央にあったカスティーリャ王国はポルトガル語読みだとカステーラ。日本ではお菓子の名前になりました。

 

ポルトガル共和国

 ポルトガル語でプルトゥガル。漢字では日中共に葡萄牙です。葡萄(ぶどう)の牙(きば)です。スペインと同じく最後に牙がつきます。

ステーキ&ワイン 葡萄の牙 - 大森駅東口商店会 (utan.jp)

 日本語とポルトガル語の辞書を日葡(ニッポ)辞書といいます。

 

南蛮

 戦国~江戸時代、日本ではこの両国を南蛮と呼びました。中華思想で南方に住む異民族という意味です。しかし、両国とも緯度は日本とほぼ変わりません。

 当時、ポルトガルはマカオを拠点としてアジアに進出しました。キリスト教も鉄砲もマカオから鹿児島にもたらされました。また、日本では古代より関東を東夷、九州を南蛮と呼んでいたこともあり、南方から上陸した異人を南蛮人と呼んだのでしょう。

 イギリス人やオランダ人は紅毛人と呼ばれました。

 長ネギや唐辛子を使った料理を南蛮料理といいます。鴨南蛮やチキン南蛮、アジの南蛮漬けは今でも耳にしますね。私の郷里で南蛮といえば唐辛子のことでした。

 

ラテン

 ラテン語は今は学術用語に用いられていますが、ここでいうラテンとは「イベリア系の」という意味でした。スペイン、ポルトガルは大航海時代に南アメリカ大陸の大部分を占領しました。ゆえに中南米をラテンアメリカといいます。

今でもブラジルの公用語はポルトガル語、その他の大きな国の公用語はスペイン語です。ポルトガル語の「オブリガード(ありがとう)」はポルトガル語というよりブラジルのことばとしてなじみ深いですね。

 

マゼラン海峡

 大陸の南端マゼラン海峡は、ポルトガル出身でスペインの航海者のフェルディナンド・マゼランが発見した航路ですが、最近では現地語を重視し、マゼランはポルトガル語読みのマガリャンイス、マゼラン海峡はスペイン語読みのマガリャネス海峡とも紹介しているようです。そのうち「マゼランってだれ?」と言われるかも。