法人が納める税金に、事業税と事業所税があります。このふたつ、性質のまったく異なるものですが、周囲の人にはなかなか理解してもらえません。私はよく言います。
オーストリアとオーストラリアくらい違う と。
この両国(リョウコク)、ほんとうに紛らわしいです。
日本では漢字でオーストリアを墺太利、オーストラリアを濠太剌利、あるいは豪州と書きます。
中国では漢字でオーストリアを奥地利、オーストラリアを澳大利亜、あるいは澳州と書きます。
オーストリアの「オースト」はドイツ語の「東」を意味します。「イースト」と語源は同じです。いっぽう、オーストラリアの「オースト」はラテン語で「南」の意味です。あの猿人アウストラロピテクスも「南の猿」という意味です。
オーストリアでは公用語のドイツ語で「オースターライヒ」と称していますが、日本でもこう呼んだらどうでしょう。
次はヨーロッパにあったユーゴスラビアです。
サラエボ冬季オリンピックが開かれた1984年当時の国名はユーゴスラビア社会主義連邦共和国でした。ユーゴスラビアとは「南スラブ人の土地」という意味です。スロベニアもスロバキアも語源は同じです。
1992年から始まった内戦により、オリンピック施設はほとんど廃墟と化しました。
「七つの国境、六つの共和国、五つの民族、四つの言語、三つの宗教、二つの文字、一つの国家」と言われていましたが、現在は7つの国に分かれています。全然「融合」ではなかったですね。
・スロベニア共和国(1991年独立)
・クロアチア共和国(1991年独立)
・マケドニア共和国(1992年独立)
⇒2019年北マケドニア共和国に改称
・ボスニア・ヘルツェゴビナ共和国(1992年独立)
・ユーゴスラビア連邦共和国(1992年セルビアとモンテネグロで発足)
⇒セルビア・モンテネグロ(2003年共同国家として改称)
・セルビア共和国(2006年分離独立)
・コソボ共和国(2008年コソボ自治州が独立宣言)
・モンテネグロ共和国(2006年分離独立)
⇒2007年モンテネグロに改称
マケドニアと聞けば、高校で世界史を習った人なら、紀元前4世紀にアレクサンドロス大王(アレキサンダー大王と習ったかも)を出した現在のギリシア北部に位置したマケドニア王国を思い付くことでしょう。
マケドニア王国を自国の歴史として誇りとするギリシア国民は、他国がマケドニアを国名とすることに反対を唱えていましたが、17年後に「北」を冠することで決着しました。
モンテネグロはモンテネグロ語では「ツルナ・ゴーラ」といいますが、どちらも「黒い山」を意味します。中国語ではズバリ「黒山」です。
ヒョーゴスラビア
ユーゴスラビアになぞらえて、兵庫県を「ヒョーゴスラビア」と呼ぶことがあります。
【地名の漢字 28】兵庫県篇 | 漢字ん帳~漢字や日本語にまつわる由無し事~ (ameblo.jp)
興味のある方は私の過去ブログ↑をご覧ください。なかなか凝ったネーミングでしたが、ユーゴスラビアが解体した今は、ちょっと説明が必要になりましたね。