今日のテーマは中国です。

中国の正式名称は中華人民共和国ですが、今回よく考えてみたら、中華人民共和国成立前の中華民国のころから中国と言っていたことに気づきました。

 

紀元前221年始皇帝が中国中原を統一して建国した(しん)を、インドでは「チ-ナ」と呼び、漢字で「支那」と書かれました。英語の「CHINA」もこれに由来すると言われています。チノパンの「チノ」もこれが起源という説があります。

昭和18年「最新支那全域地図」。はっきり「支那」の2文字が。

 

日本では戦前「支那」を蔑称として使っていたという認識もあり、現在使われません。パソコンで「しな」を変換しても「支那」は出てこず、やむなく「支店」と「那覇」を呼び出してから合成しています。

東シナ海、インドシナ半島、シナチク・・・どれも漢字で出てきません。

 

さて、「中華」という名称は中華思想から来ています。中国人(漢民族)が世界の中心で、その周りは文明の低い異民族とされていました。

異民族は方角に応じて、北狄(ほくてき)、東夷(とうい)、南蛮(なんばん)、西戎(せいじゅう)と呼ばれました。

日本は東夷にあたります。卑弥呼の登場する『魏志倭人伝』は正確には『三国志魏書東夷伝倭人条』といいます。

 

「冷やし中華」は「冷やし中華そば」の略ですが、「中華=ラーメン」という等式も成り立ちます。

 ラーメンも 冷やせば中華 焼けばそば

 

キタイ

高校で世界史の授業を受けた方、「契丹(キッタン」って懐かしくないですか?

中国大陸北方で今のモンゴル、中国東北部の当たりで活動した民族で、日本の平安時代に当たるころには「(りょう)」という国を建てていました。

この契丹が由来で、ロシア語では中国のことを「キタイ」といいます。

香港を拠点とするキャセイパシフィック航空

この「キャセイ」も「キタイ」由来です。

 

日清

日清製粉、日清オイリオ、日清食品など日清を冠する企業はいくつかありますが、中国の清(しん)と関係がありそうなのは日清オイリオくらいです。

前身の日清豆粕製造の創立が1907年、日清戦争が1894年です。

 

魏・呉・蜀で覇権を争ったり、チンギス・ハンがモンゴル帝国として一大版図を築いたり、女真のヌルハチが明を建国したり、孫文、蒋介石等、政権が大きく変わろうとも、欧米ではずっと、15年しか続かなかった2,200年前の始皇帝の秦のままなんですね。