弁慶が、薙刀を持って⇒弁慶がな、ぎなたを持って
このように分の区切り位置を間違えて読むことを「ぎなた読み」といいます。
代表的なのは
ここで履物をお脱ぎください⇒ここでは着物をお脱ぎください
ですね。
最近ネットで見た笑える作品は
みんな、燃えろ!本気になるんだ!⇒みんなもエロ本、気になるんだ!
区切り位置ばかりではなく、助詞がなくとも話し言葉では意味が通じるということも、この言葉遊びに拍車をかけえています。
私が実際に目にしたのは、30年ほど前、某スーパーでの父の日のキャッチコピーで、「お父さんが、まん中」。
この読点をずらせば「お父さん、我慢中」になります。父の日だけは許してあげるのでしょうか。
私が高校2年の2月のことでした。3年生を送る予餞会が開かれ、各部活の下級生が卒業生のために歌などの出し物をやることになりました。私の同級生数人がギターと共に演じたのが『金太の大冒険』。
金太の大冒険 つボイノリオ 歌詞情報 - うたまっぷ 歌詞無料検索 (utamap.com)
歌詞は上記のリンクを開いてご覧ください。
当時放送禁止だったこの曲を彼らはどうやって覚えたんでしょうか?場内1,000人が爆笑の渦。「やめい!」と一喝すべき立場の先生たちも抱腹絶倒。
「よ」「が」「を」の助詞の省略可能の日本語の特性をたくみに活かした名曲です。助詞のない(前置詞はあるが)英語では、こういった遊び心は生まれないんでしょうかね。
助詞は難しいです。
「光が見える」と「目が見える」
「声が聞こえる」と「耳が聞こえる」
この違いを留学生に説明できますか?
「A君はB子さんが好きな人です」と「A君はC子さんが好きなのです」
だれがだれを好きなんでしょう?
「人」と「の」で1字しか違いませんが、B子=♡⇒A君=♡⇒C子 という三角関係が成り立ちそうです。
男好き
意味を知っていますか?
①女の容姿・気質が男の好みに合うこと
②女が男との情事を好むこと
②のように思われがちですが、本来は男好きのする顔とは①の意味で、「それほど美人ではないが」というニュアンスを含みます。
ぎなた読みではありませんが、外国人が不思議に思う日本語があります。
・「あの子からの手紙、もらってあげてくれない?」
もらうの? あげるの? どっち?
・「お母さんは死んでいません」
お母さんは死んでるの? 生きてるの?
・「今、手がはなせない」
手がしゃべるの?