近頃、某内親王の婚約者を「現代の道鏡」などと揶揄する週刊誌が出回りました。

週刊新潮より

 

道鏡・・・奈良時代に女帝の孝謙天皇(重祚して称徳天皇)と懇ろになった僧侶です。

称徳天皇は退位して上皇となってから道鏡を天皇の位に就けようと画策しますが実現に至りませんでした。

本人がどれほど皇位を望んだかはわかりませんが、戦前は平将門、足利尊氏とともに日本三大悪人と呼ばれました。

どんな人物だったのでしょうか?

 

 道鏡は座ると膝が三つ出来

江戸時代にはやった川柳です。

鎌倉時代の書物『古事談』によると道鏡は巨●の持ち主です。

 道鏡に崩御崩御と称徳言い

崩御とは天皇が死ぬことの尊敬語。

さすがに天皇も自分が死ぬことを崩御とは言わないでしょうが、ここでは「逝く逝く」の意味でしょう。

 道鏡に根まで入れろと詔(みことのり)

詔とは天皇が発した命令文です。

せっかく上で●で伏せたのにここでその字が出てきましたね。

こっちの川柳は主語を使わずにだれのことばなのかわからせるところが秀逸ですね。

今でも道鏡は巨●の代名詞ですが、「現代の道鏡」と聞けば渦中の男性は巨●なのかと思っちゃいます。

 

妖狐なり

NHK『大仏開眼』での孝謙(称徳)天皇役の石原さとみ

『古事談』によれば称徳天皇は道鏡の肉体に飽き足らず、山芋を男●の形に作り、自分の体に入れたところ、中で折れてしまいました。

サツマイモが日本に伝わったのは江戸時代。奈良時代には細長い芋は山芋だけだったでしょうか。

手で触っただけでもかゆくなるのに、あそこに入れたときのかゆみといったら・・・

天皇を診察した百済から来た手の小さい尼が手に油を塗り、膣の中に手を入れて芋を取り出そうとします。

それを見た藤原百川が「妖狐なり。」と尼を斬り捨ててしまったため、天皇は排せつ物が詰まり、死に至ったといいます。

この辺の話は海音寺潮五郎の『悪人列伝』に詳しいです。

性欲旺盛だったな女帝に、若い時の役とはいえ、石原さとみを起用したNHKはどうなんでしょう?

 

こうした道鏡と称徳天皇の性の営みの話は当時の歴史書に記載がなく、後世の創作と思われます。

古代中国の秦で、後に始皇帝となるの母趙姫が巨●の嫪毐(ろうあい)との性におぼれたという話を基にした可能性があります。

嫪毐は巨●を軸にして馬車の車輪を回すことができたとか。

 

小野小町

いきなりですが、日本では世界三大美人として、クレオパトラ楊貴妃、そして小野小町を挙げています。

小野小町の生まれ在所と主張する秋田県では、コメの銘柄を「あきたこまち」に命名したのを皮切りに、秋田新幹線に「こまち」、県立野球場に「こまちスタジアム」と、何でも小町伝説にあやかっています。

クレオパトラはエジプトの女王、楊貴妃は唐の玄宗皇帝の寵姫。

しかし小野小町は絶世の美女と謳われたにもかかわらず、天皇家や有力摂関家に嫁ぐことなく、ひとり老婆となって寂しく死んでいきます。

小町が男を寄せ付けないところから、彼女には性的欠陥があるとして、「穴無し」と呼ばれたそうです。

糸を通す穴のない針を「まち針」といいますね。

これは「小町針」の「こ」が取れたものともいわれます。

 

穴ふさがりと穴無し、称徳天皇と小野小町との妙なつながりでした。