歌い継がれる大学の歌 立大編

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古関裕而の作曲シリーズは終わりましたが、それ以外にも各大学には良い歌がありますので紹介しましょう。

今日は立教大学です。

 

立教大学応援歌『行け立教健児

昭和21年頃 作詞 小藤武門 作曲 土橋啓二

一、見よや十字の旗かざす 立教健児の精鋭が

 武蔵野原をいでゆけば 若き心の血は燃えて

 我等の行く手に敵ぞなし

 立教 セントポール おお我が母校

二、愛と正義の心燃えて いざゆけ我等の強者よ

 勝利の力我にあり ああ立教の旗の下

 猛き血潮の尽きるまで

 立教 セントポール おお我が母校

三、ああ我勝てり おお覇者ぞ 聞け立教の勝ち歌を

 見よ紫の旗風に セントポールの鐘の音は

 我等の勝利を告ぐるなり

 立教 セントポール おお我が母校

 

「見よや十字の旗かざす」

曲の長さもちょうど良く、歌詞も洗練されています。

冒頭の歌詞は讃美歌300番『見よや十字の旗高し』を基にしています。

さすが立教!しかも作詞者は立教応援団の当時卒業間もないOBというから驚きです。

(参考)立教大学校友会

 

「十字の旗」「立教の旗」「紫の旗」

  三上旗店

篆書の校章を旗にしている大学が多い中、立教の旗は美しいですね。

1番、2番、3番でそれぞれ表現を変えて旗をたたえています。

立教の応援団が団旗を紹介する際の口上が好きでした。

「皆様、団旗の先端にご注目ください。他校の団旗は(中略)先端が鋭くとがっておりますが、我が立教大学の団旗は、主イエス・キリストの教えを忠実に守り、神聖なる十字架を使用いたしております。」

六大学で唯一の宗教系大学で、その特色を遺憾なく発揮しています。

紫紺の旗を掲げる明治大学と立教大学の野球の試合は「紫合戦」と呼ばれています。

 立教大学野球部

 

「武蔵野原」

校歌の一節「紫匂える武蔵野原に」を取り入れています。

大学の本拠地として、慶應は三田、明治は駿河台、早稲田は早稲田と、大字(おおあざ)レベルの地名を用いるのに対し、武蔵野原は東京都の大部分を占めるような広域地名です。

 

「セントポール」

聖パウロのことです。

St.Paul's University」は立教の英語名です。

ただし、大学当局では「RIKKYO UNIVERSITY」を正式英語名としています。

さらに、野球部をはじめとする体育会では「RIKKIO」と表記し、「立教 RIKKIO(アールアイケイケイアイオー)」と歌う応援歌『若き眉』もあります。

セントポール』という応援歌もあります。高校野球の応援でもしばしば耳にします。

日本の大学で、全編英語の応援歌はこれと、同志社大学の『Doshisha College Song』だけです。

変わっていなければ。

 

「愛と正義の心」

応援歌にが出てくるのは珍しいですが、これも立教の校歌の「愛の魂 正義の心」の一節を受けています。

立教の校歌は美しいです。チャペルでパイプオルガンの演奏とともに聞きたい。

 

この『行け立教健児』は名曲ではありますが、神宮球場では点が入るまで延々と歌い、点が入ったら肩を組み、またこの歌を歌うので、得点したときの感激が弱いです。

法政の『チャンス法政』、慶應の『ダッシュ慶應』、早稲田の『コンバットマーチ』に匹敵するチャンスパターン応援曲の誕生を切望します。

 

では、もう1曲

立教大学寮歌

一、棘路(いばらじ)とおくたどり来て 同じ園辺に慕いよる

 眉若げなる友はみな 真理(まこと)の旅の人ならむ

 されば短き青春(はる)の日を かたみに愛と歌わずや

二、朝夕(あしたゆうべ)にそびえたる 知識の扉重けれど

 なげくをやめて渾身の 力を揮るえ若人よ

三、星屑淡き高楼の 夕(ゆうべ)の色に染まりつつ

 鐘の調べもこぼれゆく ここ武蔵野の園にたち

 地平を遠くはるばると 富士豊麗の色に酔え

四、足音秘めて歩みゆく 時こそさびし人生の

 想いは胸にこもれども ああ若人が青春の

 園辺によりて吹きならす 希望の笛は高からむ

五、ああいつの日か「立教」と さらばと記す旅の日は

 ああいつの日か「立教」と 涙ぐみつつ語る日は

 想えば更にひたせまる 高鳴る胸をいかにせむ

 

ふだん応援席で使われることはありませんが、これがまたいい曲なんですわ。

いつごろ作られたかはわかりませんが、学帽、マント姿の書生さんが、夕暮れ時に高下駄をカランコロンと鳴らしながら歩く光景が目に浮かぶような郷愁を誘う調べです。

卒業を控えた4年生に5番の歌詞なんかピッタリですね。

いつの日か」はいつ卒業できるかわからないという意味ではありませんが。

 

すみません、どなたかご存知であれば教えてください。

私が昔覚えた寮歌の1番の歌詞はうろ覚えですが以下のとおりです。

これは何だったのでしょうか?別バージョンでしょうか?

 棘路超えて東雲の 風さやかなる学び舎に

 真理を求め集いたる うら若き子よ眉上げて

 命を歌え声高く 緑の原に青空に