株価は膠着状態ですね。嵐の前の静けさ???
<図1 銘柄1321 6月7日>
さて、
今までの分析で分かったことは
どんな(極端に言えば)銘柄でも、S式運用、すなわち日経平均の分析結果で売買すれば、ほぼ失敗がない!
ということです。
これは、
個別銘柄の動き方は日経平均に似ている、ということを意味します。
言うまでもなく、日経平均は個別の225種の株価の加算方式(詳細省略)で計算されますね。
しかし、個別銘柄の株価はお互いに全く独立の動きをするわけではなく、そもそも似た動き方をしているということです。
このことは日々の株価の動きからも直観的に理解できますが、これを掘り下げて分析してみました。
似ている、というのはお互いに相関関係にある、ということになります。相関の度合いは相関係数で評価でき、エクセルで容易に計算できます。
どの変数に相関があるのか、ということですが、ここでは2つの変数
①株価変動率
②F%D
の相関を評価することにします。
株価変動率ではなく、株価そのものでも評価できますが、比較のための基準化が面倒なので。
図2は、前回ブログの比較表に株価変動率の相関係数とその評価を追加したものです。
<図2 30銘柄比較>
相関係数の判断目安と、上表中の銘柄数を整理したものが図3です。なお、銘柄1570は銘柄数の対象外です。
<図3 相関の度合い>
殆ど相関がない(×)、は皆無です。
圧倒的に多くの銘柄は、かなり相関あり(△)です。
相関あり → S運用が適用できる根拠
ですね!
以下の3銘柄(図2の緑枠)について具体的に見ていきます。
銘柄1570(1570)
積水ハウス(1928)
東京電力Hld(9501)
まずは銘柄1321に最も似ている銘柄1570です。銘柄1321の2倍の振れ幅で動くように設計されています。
株価、F%Dおよび相関係数を対比します(図4、図5)。
<図4 銘柄1570>
F%Dは、ところどころ差異がありますが、殆どピッタリと言っても良いでしょう。
図5は相関分析です。
左端の相関係数は株価変動率のもの、右端の相関係数はストキャスティクス(F%D)のものです。
中央にある変動係数というのは私の定義したものですが、銘柄1321の株価変動率に対する個別銘柄の株価変動率の振れ幅比の平均値です。
例えば、銘柄1321が1%変化した時に銘柄1570が2%変化すれば変動係数=2となります。
<図5 相関係数 銘柄1570(対銘柄1321)>
相関係数(株価変動率)=1.00
若干のデコボコはありますが。
変動係数=1.99
銘柄1321の2倍という設計に対して、実際は1.99倍であった、ということです。それで、株価変動率相関グラフのヨコ軸1に対してタテ軸1.99となります。
相関係数(F%D)=0.99
株価変動率差のわずかなデコボコが、ストキャスティクス・アルゴリズムで増幅されてF&Dの相関を悪化させている様子がグラフで分かります。それでも相関係数はほぼ1に近いですね。
次に積水ハウス(です。株価の動きが銘柄1321によく似ています。
<図6 積水ハウス>
見たところ、株価、F%Dともにかなり銘柄1321に近い動きをしています。
相関分析結果は、
株価変動率:◎強い相関がある
F%D:△かなり相関がある
<図7 相関係数 積水ハウス(対銘柄1321)>
最後に相関係数が小さい東京電力Hldです。銘柄1321とは動きがかなり違います。
<図8 東京電力Hld>
<図9 相関係数 東京電力Hld(対銘柄1321)>
ぱっと見では相当異なっているように見えますが、それでも、
少し相関がある(▲)
範囲に株価変動率、F%Dともに入っています。
少しでもプラスの相関関係があればS式運用が有利、ということですね。