10月27日。術後3日目。
結局、ベッドを起こしたまま眠って朝を迎える。よく眠れたのか眠れなかったのか。また別の箇所が痛、いや考えないようにしよう。
朝現在の私の状態は、入っている管は変わらず。尿管&尿道カテーテル、点滴(針のみ)、ドレンが付いた状態。朝食は食パンとカットフルーツ、オムレツと普通食がでる。ただ、朝はパンだから通常食と同じだが、お米が出る昼、夜はまだお粥。ただ、3分粥、7分粥と進化して、この日は全粥。通常食に戻る日も近い。点滴の針は左手甲に残っているので、不慣れな右手でスプーン、フォークを駆使して食事をしている。いやそこそこ柔らかい針なので、左手動かしてもいいんだろうけど。3日目ともなると、病棟のいろいろな日常ルーティンが分かってくる。
7時台に深夜勤さんが検温、血圧測定、場合によっては採血に来られる。また、その日1日に飲むお薬(私の場合は持ち込んだ血圧の薬のみ)を置いて行かれる。8時に朝食配膳、それと前後して主治医K先生の回診。いつもどおりの質問をされ、早足で出て行かれる。B先生、C先生も別々に来られ、同じように傷痕、肩や胸の空気の残り具合を確認される。主治医群の回診はこのころになると1日2回くらいに減った。
痛みはじっとしていると感じない。お腹をひねったり上半身を伸ばしたりすると痛いので、歩くときにも少し猫背になってお腹が突っ張らないよう工夫する程度。
また、7時半ごろから8時の間に朝刊を売り歩くおじさんの声が独特の節回しで廊下に響く。そして各部屋のお掃除が9時過ぎから10時の間に来られる。
今日の日勤担当はNさん。
「もう点滴は今日の朝夕2度の抗生剤を残すだけですよ」と言われていたが、
前日既に点滴スタンドからの管は無く、左手甲に針が残ってそれを包帯でカバーしているだけの状態だった。そこを使って、さあ朝の抗生剤、となったのだが、Nさんが出ていってからふと点滴スタンドを見ると落ちていない。ナースコール。Nさん来る。
「あれ?」と二人でいいながらあれこれしていると、Nさんが私の左手甲の針部分を押さえると点滴が落ちる。どうやら針がずれたか。
で、どうしましょ、
ということで私が「ルート右手に変えましょ」と提案。
あと2回なので、その都度刺しても良さそうなもんだけど、とにかく左手を空けたかった左効きの私としては、自分の願望も交えての提案。
「じゃあ」ということで、左手甲の針を抜いたところでお互い油断して抑えが甘く出血。どちらもが気づくのが遅れてシーツに見事に染みが直径10センチほど。
思わぬシーツ交換に。Nさんに
「シーツ交換するから点滴は改めて処置室でします」と言われ
ナースステーションとなりの処置室で改めて右手に点滴。
「あっ、ついでに尿道&尿管カテーテルも抜きます」
「えっ?今?」とややビビる。
昨日Yさんに教えられたとおり、息を吐いてたら大丈夫なのかな。でも誰がやるんだろう、と構えてたら、初めて見る男性のお医者さんが来て、
「じゃあ点滴しますね」と。そうか、Nさんはシーツ交換中か。仰向けになって右手を出す。
「はい、終わり」
「先生、カテーテルも」
「あっそうか」この人がやるんだ。
息吐こう吐こう、力抜こう、念じる。先生の手がパンツの中に入ってくる。
「あっ、じゃあ2本とも抜きますね。腎臓の方まで行ってる細いやつから抜きます。背中がちょっと気持ち悪いですよ」
「はい、太い方抜いてます、はい、終わりました」
特に痛みというものはなかった。おしっこでも他の何かでもないものが通り抜けて行った感じ、せいぜい違和感という感じで済みました。名前知らない若い先生、ありがとうございました。
部屋に戻るとキレイなシーツ。ほどなく2日ぶりに妻到着。
この時点で私の装着物は腎臓から出ているドレンとその先のパッケージのみ。
カテーテル抜管後、最初の尿は色や量を確認するのでトイレでカップにとってナースコールして下さいとのこと。
カテーテルつけてる間は常におしっこ行きたい状態だったのですぐやろな、と思ってたら、Nさん曰く
「カテーテルは常に膀胱を空にしているので、抜いた時点では空っぽです。」と。実際行きたくなったのは昼食も済ませた午後3時前。ついでに、大きい方も催したので、広いトイレを使わせていただく。便は見せる必要もないので流してナースコール。Nさん以外の看護師さんだったがチェックしていただきOK。このあとも、何日かぶりに自分で小便器前に立って用を足すのだが、色が茶色いこと、そしてときどき粉ともゴミともいえないものが混ざっている。いずれも腎臓手術後のあるあるらしい。
それにしても、入院病棟、特に泌尿器科の看護師さんと尿の処理というのは切っても切れない気がする。尿の処理をするときは、シールドつきマスクをつけて勿論ビニール手袋をして、自分にも他の患者が触れる箇所にも飛沫がかからないよう配慮して。でも匂うし色は茶黄色だし、気持ちいいものではないだろうな、と自分も世話になり敬意を抱く次第。
妻は衣類の整理や売店への散歩に付き合ったらあとはすることなし。売店近くにあるカップコーヒーマシンでホットを買う。妻に退屈な時間を過ごさせるのも申し訳ないのだが、往復に結構な時間がかかるので、来た日は居る、来ない日は来ないというall or nothing なスタイル。彼女らしい。
で、6時前に妻帰宅。次は3日後に。
で、その頃に準夜勤Kさん登場。と前後して泌尿器科の師長さんも挨拶に来られる。「なかなかご挨拶に来れませんで」いやいや、恐縮してしまいます。病棟にいる20人強の患者全員にこんな挨拶してるのかなあ。
前日のことがあるので、回診に来る主治医群皆さんに「右側ってどうですか」「陰膿は」と聞かれる。もう何ともないです。女医のC先生にまで聞かれるのも恥ずかしいが前科があるから仕方ない。TVも同じ姿勢で長時間観ることは避け、いろいろな姿勢をとる。
この日は比較的平穏に終える。
でも、もう「こいつには渡しておけ」
となっているのか準夜勤のKさんが睡眠剤を置いていく。
「ちょっとお腹見せてね。あ~、今日の日勤さんさすがベテランさん。上手いこと当ててる」
Kさんはこのあと消灯時に見回りにきた際も、もう一度私のお腹を見て
「やっぱり上手いことしてるわ」
と言ってました。Nさん聞こえてる?
もう点滴台も持たず、首からドレンの廃液溜めパッケージ入りの袋のみをぶら下げて院内を歩く私。明日あたり、退院見込み聞いてみようかなあ。