9月30日、P教授の2度目の外来受診。この日も妻同伴。
初外来の2日の診察後、そして20日のCT検査などの結果が既に教授の手元にある。
「手術をするための、詳細なデータを得ることができました」
「その内容についてはあまりに専門的なので説明は省略しますが、まあ心配いりません」
手術に耐えられる身体能力があるのか、そして、手術・入院中に病院内の従事者が私の血液等を取扱う上で注意すべきことがないかなどを調べている・・と思われる。(診療明細より)
そして、肝心の腫瘍だが・・・。P教授、1ミリ単位のCT画像を展開しながら
「右の方は前にも言ったとおり、直ちに影響が出るものではありません。でも、左にあるやつは、放っておくと命に関わります」
うん、冷静に言うとそういうことですね。
大きさはやはり2cm以上3cm未満。ただ、場所はやはり腎臓の中でも内側というか背骨に近い方にあって、しかも少し腎臓内部に食い込んでいるらしい。
「で、腎臓っていうのは心臓の次に血液が集まる臓器なので、そのまま切ったら大出血です。そこで、心臓から来ている動脈をクリップみたいなヤツで挟んで血の流れを止めて、それから腫瘍を切り取ります」
と順序だてて説明してくださる。
「まあ、手術に関するいろいろな怖い話は、また、主治医にさせます」
えっ?主治医はどなたが・・・。どうやら、手術はP教授直々に、助手(といってもダヴィンチ手術のベテランの方らしい)とともに行い、術後のケアについては、また、他に担当の先生が着くらしい。不安な顔はしていなかったつもりだけど、
「その主治医も、他所の病院にいったら部長クラスの人間です」
と付け加えてくださる。
「で、24日に手術だけど、月曜日なので、うちの病院は土日に入院手続きができないから、21日の金曜日に入院かな」
いや、そこ初めて聞く。
「手術は24日で決まりなんですね」
「そう」
サラリーマンにとっては大事な情報です。これで、じゃあ今から1ヶ月後には私がやっている仕事を私なしで回るようにしておかなければ・・・。
この日、自己血液輸血用の血の採血を控えているからか、私が普段から赤血球量が少ないことが検査で分かったからか、P教授は、妻に
「まあ、入院まではせいぜいほうれん草とか肉を食わせてあげなさい」
と言葉をかける。
「入院は21日だけど、その日は何もすることないから、手続きさえ済ませば帰ってもらっていいいですよ、23日の夕方までに戻ってきてください」
あと、念のため、転移はこのサイズでは無い、と思うけど、胸のCTも撮っておきましょう、と入院前日の20日のCTを予約される。
その後、採血、そしてほうれん草代わりに鉄分の錠剤の処方箋をわたされ、あとは入院センターという所へ行き、看護師さんの面接を受ける。ここでは、入院生活について、用意しておかなければならない物品、入院生活上の注意事項などを受ける。特に
「転倒の防止」「院内感染の防止」「貴重品の盗難に注意」
という部分にかなり力点が。
さらに、「腎臓部分切除を受ける方へ」というプリントもわたされ、具体的に術前の処置、術後、どのような状態になるか(何日目から歩く、何日目で点滴が外れるかなど)が書かれている。P教授は今日も2週間くらい、と仰っていたが、プリントを見ると10日~11日ぐらいか。
まあ、いずれにせよ個人差がある、ということなんだろうなあ。
その頃の私は、手術日が決まってハラが決まった・・・という風にはならず、人生で初めて経験する手術の準備が確実に進んでいる、という現実にビビリまくりでした。