ハイスタの恒岡章さんが亡くなった。今、知った、そのニュース。享年51。

本当に全く知らなくて、朝からたまたま何となくYouTubeを観ていた。何となくハイスタのAIRJAMに行きついて関連動画を観ていて。1990年代の若かりし頃のハイスタの熱狂から2000年の活動休止、11年後の2011年、震災直後の横浜での復活、そして2012年の仙台での念願のAIRJAM開催までの流れ。その間、チャットモンチーの解散ライブで叩いている恒岡さんの映像も観たが、はにかんだ表情のいい人、という感じでお人柄がにじみ出ているような映像。チャットモンチーの二人にいじられていて、この人素敵だな、最近どうしているのかな?とその時思ったが、まさかこんなことになっているとは知らず。そしてたった今、次のレコメンドで出てきた動画で「追悼・恒岡章」え????追悼???? いやー、びっくりした。今月の14日だったそうだ。

 

僕はハイスタは現役の時を知らない。海外パンクのパクリで英語で歌っているうるさいバンドぐらいにしか当時は認識していなかった。今から思うと人生最大の認識の過ちだった。難波章浩、横山健、そして恒岡章の伝説の3ピースバンド。彼らの偉業はもう言うまでもない。何度もこのブログでも書いてきた。彼らがぶち壊した数々の既成概念、メジャーシーンでの音楽活動の全てを捨て、3人はいとも簡単にそれを乗り越えてしまった。

 

いや、しかし。

この恒岡さんの死を聞いて「いとも簡単」ではなかったんだろうと思った。裏には壮絶なものがあったのだと思う。動画のインタビューでハイスタ休止の頃、横山さんはメンタルを崩していたと語っていた。そして恒岡さんもずっと精神的な病いで苦しんでいたと報道等で聞いてはいた。イケイケでかっこ良くて、一時代を築いたハイスタ。それでも個人個人は生きるか死ぬかの死線を生きていたんだろうと思う。

 

真っ先に思い浮かんだのが、YMOの高橋幸宏さんだ。今年の1月に亡くなった。彼もドラマーだった。高橋さんのインタビューもここ最近、ずっとYouTubeでチェックしていた。記憶に残る名言がある。「坂本龍一は鬼才、細野晴臣は天才、高橋幸宏は凡人」という言葉である。確かに。そう言いたくなる気持ちも分かる。あの坂本、あの細野の間で神経をすり減らしたことも多いだろう。高橋さんが長いこと神経症を患っていたのは有名な話である。更に言えばビートルズでも。ジョンレノンとポールマカートニーの間で翻弄された人生、ジョージハリスンはそんな人だった。結局、彼は逃げ場を探すようにインドに傾倒していく。しかしジョージは一番友人に恵まれた人でもあった。クラプトンとの交流は有名な話。天才・鬼才の間にいる、いわば普通の人。早過ぎるジョージの死はそれを思わせるものがあった。享年58。(ちなみに明日はジョージハリスンの誕生日だそうだ)

ハイスタでの横山、難波の確執の間で、恒岡さんがどれだけの思いをされたのかは想像に難くない。あれだけのバンドだ。ぶつかり合う激しい個性の間で様々な想いがあったのだと思う。

 

恒岡さんのご冥福をお祈りしたい。

素晴らしいドラマーだった。

 

 

 

 

↓ハイスタの名盤

 

 

 

 

 

 

 

↓高橋幸宏のドラミングが冴える