忙しくて、感想書けませんでしたが、しっかり初日に見て来ました。
この映画。「源氏物語」と言っても、光源氏主役の「源氏物語」
onlyではなく、平行して紫式部と藤原道長のストーリーが
描かれています。
「源氏物語」は、何故、書かれることになったかというと、
それは、一条天皇の心を娘の中宮彰子にとどめておく
ために、道長が式部に命令して書かせた・・ってあれ、本当なん
でしょうかね?
映画は、光源氏と紫式部、この二つのストーリーを交互に
描いていきます。
そして、フィクションと現実をつないでいるのが、陰陽師 阿部晴明
晴明は、早々に、式部の業の深さを見破ります。
そして、その式部の”毒”が、主人公光源氏をあそこまで、
数奇な運命をたどらせた・・という解釈を与えています。
実は、今回の映画。窪塚くんの清明目当てで行ったのだけど、
何だか、いつもの突き抜けた感じはなく、かなり押さえた演技でした。
ちょっとがっかりだったな~。
でも、その分、生田斗真くんの光源氏が良かったです!
ネットの感想では、”光源氏に合わない!”なんて、酷評も
数多く見受けられましたが、そもそも、今回の源氏は、まだ、
若紫に会う合う前の源氏。年齢にすれば、まだ10代
美しくて、優しくて、マザコンで、そして、年上女性キラーでと・・・
いやいや、なかなか良かったです。
女性陣で光っていたのは、やはり、田中麗奈ですね。
はっきり言って、彼女があそこまでやるとは思わなかった
です。
生霊の怖さだけでなく、源氏より年上だという引け目や
段々と相手にされなくなる悲しさがとっても良く出ていたと
思いました。
あのなっちゃんが、鏡みながら容色の衰えを嘆く年に
なるとはね。。なかなか感慨深いですね。
残念だったのは、やっぱり、多部未華子の葵の上かな。
深窓のお嬢様で源氏より4歳も年上。
気位が高く、なかなか打ち解けないという、正妻葵の上に、
多部ちゃんは、やっぱりミスキャストでしょう・・。
多部未華子さんは、嫌いではないので、もっと別の役で出て
欲しかったですね。源氏物語だったら、雲居の雁あたりは、どうで
しょうね~。
映画全体としては、後半、六条御息所が生霊になるあたりで
盛り上がりはあるものの、比較的単調でまったりした作りなので、
飽きちゃって、紙袋ガサゴソしてるお客さんもいました。
ただ、平安時代の貴族の生活っていうのがそもそもあんな
感じなのでは?(笑)
ロケも美術も美しいし、衣装も美しい。
セットもものすごく豪華です。
そして、演じる役者も皆美しい人ばかりなので、しばし、日常の喧騒を
忘れて、優雅な気分にひたるには、ぴったりな映画でした。
そうそう、なかなか贅沢だったのは、東儀秀樹さんの一条天皇
実際の笙の笛の演奏が情景にマッチして素晴らしかったのなんのって。
ところで、先日、友人に誘われて、目黒雅叙園の
百段階段に行って来ました。
そこに、今、この映画で使われた衣装が展示してあります。
私は、初めて行ったのですが、この百段階段というのが、
今は、使用していない創業当時の雅叙園の宴会場を催事場に
使っているもののようで、柱の彫刻から壁紙から襖絵から
スゴイのなんのって
まさに、源氏物語の衣装展にぴったりの会場でした。
しばし、平安貴族の優雅な雰囲気にタイムスリップしたい方は、
映画と共に絶対、おススメのスポットです
http://www.megurogajoen.co.jp/event/genji/index.html