★ネタバレあり★「純情きらり」~「悪口言っていいですか・・」の段 | 思い入れ★ホームシアター★日記

思い入れ★ホームシアター★日記

わ~い。ついに我が家にホームシアターが・・
6.1ch 80インチスクリーン。
その驚きの臨場感!!近所の皆さんごめんなさい。m(_ _)m

半年間見続けた「純情きらり」もあと4回。
このドラマ。朝ドラとしては、近年にない視聴率だそうで、
朝日新聞なんて、文化欄で、TV欄で大絶賛である。

そういうドラマにケチをつけるっていうのも何なんですが、
ひねくれ者の私は、どうしても感動までには行き着かず・・。
・・というよりは、最後に近づくにつれて、その展開が
段々とつまらなくなってきて・・。
最終週にいたっては、不謹慎にもバカくさくさえ思えてきて・・。

最初の数ヶ月は、大好きなドラマだったのよね

それもこれも役者がみんなうまいからかなあ。
主役の宮崎あおいはやっぱりいいです!
朝ドラっていうと、新人俳優のオーバーアクションの笑顔と
空元気に朝から疲れる事が多いのだけど、あおいちゃんは、
さすが若いのにベテランだけある。
彼女の熱演のおかげで、怒ったり泣いたり感動したりの
15分間
を過ごす事ができた。
可愛いし、うまいし、言うことないです。

そして、主役だけでなく脇の役者がまた良かった。

戸田恵子、室井滋、寺島しのぶ・・

ほんと贅沢な俳優陣で、彼女たちの迫真の演技に、毎朝、
出勤準備の手を止めて真剣に見てしまったのも事実。

もちろん、ドラマの界のハンカチ王子(?)達彦さんも
ステキよ♪
福士誠治くんは、「スイングガールズ」の野球部のキャプテンの
時からチェックしてたけど、案の定、ブレイク。
これからひっぱりだこになるよね。きっと。
将来楽しみな役者さんである。

・・とこんなに楽しみに見ていたのに、

ああ、それなのに・・それなのに・・。

なんと言っても、後半になって不満なのは、

超まったりな進行でありながら、展開だけは、
ジェットコースター並であること。

万人向けの朝ドラだから、仕方ないのかもしれないけど、
毎回、たった15分のドラマの最初の2分が前回の復習。
そして、過剰な状況説明のアナウンスには、ちょっと参って
しまった。
役者の顔見てればわかるんだから、登場人物の心の動きまで、
詳細に説明してくれなくていいよって・・。(笑)

・・とこんな風に、ゆったりな進行でありながら、話しの展開は、
何故か、ジェットコースター並。

大体が、最終週の15分×6話=90分・・しかも引くことの
前回の復習とテーマソング・・の、正味80分位で、何で
いきなり、主役の二人が難病&事故で重体・・なんて
なっちゃうわけ?

それまでも、桜子の”打ち込む事”の移り変わりが、あまりにも
めまぐるしくて・・。
音楽家だ~。若女将だ~。嫁だ~。教師だ~。作曲家だ~。
・・と半年間、どれだけ変わったことか・・。
でも、どの仕事も、努力の過程とかがほとんどなくて、結果を
出して絶賛されるとこだけが、ゆっくりゆっくり描かれているんで、
何だか薄っぺらな印象が強い。
しかも、尻切れトンボな場合も多かった。

朝日新聞には、

”何かをなしとげた女ではなく、何も終えずに一生を終える普通の
女の人生の輝きを描きたかった。”

・・と脚本家の言葉を載せていたけど、

そうかなあ・・。
とんでもなく、普通でない人生だと思うけど。(笑)

このドラマの原案となったのは、津島佑子さん「火の山ー山猿記」
津島佑子さんというのは、作家太宰治の次女。
彼女の小説は、大学センター試験の問題にもなった事があったが、
非常にきめ細かい、感性の豊かな女性らしい文章を書く人であると
いう印象を受けた。

私は、原作はちゃんとは読んでいないが、本屋で再三立ち読みした
限りでは、だいぶ、脚色されているような。

雑誌などでも、取り上げられているように、おそらくこのドラマの
キーマンである画家の杉冬吾は、父、太宰治がモデルでしょう
エピソード、経歴など、画家と小説家という違いはあるけれど、結構
かぶっています。
ただ、原作での女癖の悪さは、このドラマではカットされてるし、
逆に原作では、このドラマほど、桜子との関係は密ではない。

津島さん1才の時に、父、太宰は、山崎富栄と玉川上水に
入水自殺をしたという。
母以外の女性と心中をした、顔も見たことの無い父に対する
思い入れというのは、どんなものだろう。
原作では、冬吾は水死しているが、ドラマではどうやら、桜子の
姿を見て、瀕死の床から生き返るらしい。

いつも思うんだけどさあ。これって、作者は、納得しての展開
なの?
それなら、いいんだけどね。
でも、いくら、”原案”って言っても、ここまで、話し変えていい
のかなあ・・と思ってしまうんだけど・・。
・・で同様に、桜子の病気。

原作も同じように、桜子は、結核にかかり、周囲の反対を押し
切って長男を出産する。
その辺のところが、原作ではとっても丁寧に書かれているようで
あるがドラマはいきなりです。
さあ、あと1週で終わりだ・・っていう時に、いきなり、難病って
言われて、1日や2日で、子供を産むな→いや、産むぞ→さあ、
産まれた・・って言ってもねぇ。
劇的というよりは、ムチャクチャと言った方がいいような。

さあ、ドラマも残すところ、後、4日。
どんな感動的な、いや、ハチャメチャな展開が待っているの
だろう。
原作では、桜子は、闘病の末、亡くなってしまうのであるが、
果たしてドラマでは?
失礼ながら、「不信のとき」以上に、ラストに嫌な予感がする
ドラマである。