「ユニクロ型デフレと国家破産」 浜矩子
 
 
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ユニクロが栄えると国が滅ぶのだそうである。海外生産と徹底したコストカット、ユニークなデザインとオリジナリティあふれる商品展開で、日本のアパレル業界に革命をもたらしたユニクロは著者に言わせると「悪の権化」なのだそうな。著者の言わんとするところは簡単。いわく「あんなに安く洋服が作れるはずがない」である。著者の”独特の価値観”に照らせば、あんなに安く洋服を作れるのはどこかで何か悪いことをしているのに違いないと言うこと。海外の工場で労働者を不当に安い賃金で働かせているに違いない、とても洋服に使えないような粗悪な素材を使っているに違いない、デザインやサイズ揃えを手抜きしているに違いない。そうでなければあんな安い値段で作れるはずがない。そういう古い価値観にとらわれた偏狭な視点であの会社を見ると、こういう見解が生まれるのである。実におもしろい。さらに著者は暴走する。安くて画一的なファッションは人間の「感受性」を駄目にするのだそうな。いま、日本の若者がダメダメなのはユニクロのせいなのだと。ユニクロが若者たちから個性を奪い、野心を奪い、向上心を奪っている。だからユニクロ栄えて国滅ぶ」なのだ・・・。無茶苦茶だ。
 
商売の現場も輸出入の現場も海外現地生産の現場も知らない。たぶん、ユニクロで買い物したこともないのでしょう。こういう人が”気鋭の経済学者”などと呼ばれてメディアに露出し、とんでも話を垂れ流すから日本が駄目になるのでしょうね。
 
ユニクロを否定し、新自由主義を否定し、構造改革を否定し、グローバル化を否定(まではしていないけど)・・・とにかく高度成長以後の様々な「変化」をすべて否定するのはコンサバ日本流経済学者の常套手段。ならばどうすればいい?という問いに対する答えは「自分さえよければいいはやめよう」「三方一両損で行こう」というきわめて精神論。具体性皆無。それは手段じゃなくて結果じゃない?そんなこともわからないの?そして日本を立て直すためには地域の経済的自立と地域主権、例に挙がるのが「葉っぱの街」徳島県上勝町・・・。この人、本当に実際の現場を全く知らないのね。こんな本だったら馬鹿でも書けるわ。ほんと、突っ込み入れる気力もなくなるダメダメ本と駄目学者です。
 
☆☆☆☆☆(ホシなし)