6月26日(日)
ずっと前にDVDを借りてきたものの、観ないまま放置していたM.ナイト.シャマラン監督の作品。「バックアップを取った作品は絶対観ない」というジンクスを破り、新作映画に観たいものがあまりなかったこの週末にようやく観ることが出来ました。

森に囲まれた小さな村。百数十人の老若男女がまるで1つの家族のように仲良く、幸せに暮らしている。この村には禁忌があった。「森に入ってはいけない」。森には恐ろしい化け物が住んでいて、自分たちの縄張りである森に村人が入ると、怒って村を襲う。森と村、お互いのテリトリーを守って暮らしている分には彼らは決して村を襲ったりはしない、と。村の青年・ルシアスはこの禁忌に疑問を持つ。頭の弱い青年・ノアはたびたび禁忌を犯して森に入っているが、化け物は襲ってこない。悪意を持って森に入らなければ、無事に抜けることが出来る。そう考えたルシアスは、村に足りない薬などの物資を町まで取りに行きたいと、長老たちに願い出る。しかしその直後、村に異変が起こった。家畜が殺され、家々の戸口には不気味な赤い印が…。化け物が怒っている。村に動揺が広がる中、ルシアスも口をつぐむしかなかった。そんな中、盲目の娘・アイヴィーとの結婚が決まったルシアスを悲劇が襲う。アイヴィーに思いを寄せていたノアがルシアスを刺したのだ。瀕死の重傷を負ったルシアスを救うため、町へ出ることを願い出るアイヴィー。しかし、村のリーダーである父親のエドワードは、意外な真実を告げるのだった…。
いや~、お見事。いい映画でした。この映画が公開当時、ネガティブな評価を受けたのは「シックス・センス」で大もうけした映画会社が、二匹目(「サイン」があるから三匹目か)のドジョウをねらい、宣伝でミステリーやサスペンス、ホラーの色を強く出し過ぎたせいじゃないかな?そんな思い込みなしに観ると、この映画は実によくできてます。まさに、緻密に計算され尽くした"小さな世界"を、映画の中に完璧に作り出すことに成功している、といえるんじゃないかな?
100年か200年前に見えたのどかな村の世界は実は現代。村は、犯罪によって肉親を奪われ、傷ついた人たちが世間を離れて心穏やかに、平和に暮らすために作ったコロニーだった。大富豪だったエドワードの父の遺産によって作られた広大な自然保護区の中にあり、周囲は野生動物と環境の保護の名目で厳重な警備がなされ、上空を飛行機が飛ぶこともない。世界から隔絶されたコロニー、犯罪のないユートピア、それが彼らの住む村だった。禁忌は、この村を作った長老たちが自ら作り、演出したもの。不気味な化け物の扮装をして村をうろつき、家畜を殺し、村人を不安と恐怖に陥れ、村から出さないようにしていたのだ。しかし、そんなユートピアで思いもかけぬ形で「犯罪」が発生してしまう。長老たちは混乱し、ついにすべてを無に帰すリスクを犯しても、アイヴィーを町に向かわせる決断をしたのだった。
「そんなの年寄りたちのエゴだ」という批判は当然出るんでしょう。しかし、自由であること、すべてを知ることが出来ることが本当に幸せなのか?みたいな疑問は、今の時代、当然出てくるでしょう。犯罪被害者という立場に立ってしまった人たちが、自分たちの子孫には同じ思いを味わわせたくないと考え、こうしたコロニーを作ってしまったことを批判することは出来ないのでは?とワシは思う。だから、ラストにはちゃんと納得しました。見事な脚本です。脱帽m(_ _)m。地味ではありますが、必見の作品だと思います。
★★★★※(ホシ4つ半)
最近、駄作ばかりという評価のシャマランですが、ワシは断然、彼を支持します。「レディ・イン・ザ・ウォーター」も「ハプニング」もワシは好きです。「アンブレイカブル」は確かにいただけなかったし、「エアベンダー」はさすがに観る気がしませんが。そういえば、「サイン」も未見でした。観たいんだけど、これ、「あの方」たちの映画なんだよね~。どうしようかな?