「ねぇ?あんたも一緒なんでしょ?」
ドアを開けると、凛とした女性が立っていた。彼女はポケットに手をつっこみ、口元はフェイスマスクのようなもので覆われている。服は、ビニール製の毛皮付きのコート、髪は短く煌びやか群青色をしている。
「ねぇ?聞いてるの?」
ムスッとした顔をして彼女が問いかけた。
「あぁ…同じってどういうこと?」
「孤立したことよ。あんた、この世界に置いてかれたの。」
しれっとした態度で話す彼女。何となくそれには察していたが、本当に取り残されたのだと彼女の言動から信じてしまうのだ。
人間は言葉が通じない場へいた時に、母国語を話されるとなんでも信じてしまうらしい。それに似たことなのか、それとも彼女の凛とした態度に惹かれたのかは、わからない。
「俺は何をすればいい?」
「………さぁね。」
そう言い彼女はふるふると首を横に振る。
「でも、一緒に居てやっていいわよ。私も1人だし。」
「あ……ありがとう。いやよろしくのほうがいいかな?」
そう言って私は手を差し出す。
「よ……よろしく」
少し顔を赤らめ言ったその言葉。手の温もりや柔らかさ。孤独だった数時間。後悔や懺悔。いろいろな感情がそこにはあり、私は再び自分を再認識した気がした。