「……で、俺たちはこれから何をすればいい?」
「さぁ?」
彼女のわからない時の仕草は固定化されているようで、首を横に振るだけという少し変わった仕草だ。
「わからなくてお前は何をやっていたんだ?なんで俺の家に来た?」
「ただ歩いてたら明かりが見えたから行ってみただけよ。」
そう述べたあとにあっ…と何かを思い出すようにポーチの中を探り出し、すかさずそれを提示した。
「痛ッ!」
その右腕は俺の顔面にヒットした。彼女はニンマリと不気味な笑みを浮かべている。計画通りといったところか。
「そんで…これは?」
「これは、リタモートル。状態を表す時計よ。」
「状態って?」
「ここの世界はね、現実じゃないみたいなの。こうやってライフとかマジックポイントとかが表示されててね、それを参考にしろってことみたい。RPGみたいよね。」
時計を指し示した後に淡々と説明をする。
俺はまだ状況を理解できてないようだ。この世界が何なのかしらない。でも彼女の説明を聞く限り、ゲームの世界?に閉じ込められたのか、あるいは、誰かがこのリタモートルを勝手に作って配布しているのかはわからない。しかし、この世界が現実じゃないとしたら、まだ家族や友達を救う手立てはあるのかもしれない。そう思うだけで少し希望が見える気がするのだ。
「ありがとう、大切にするよ。」
そう言ってリタモートルを受け取ったのだが、彼女から少し殺気を感じ、彼女の法を見てみると、ムスッといた顔立ちで
「それ、私のなんだけど」
と冷淡に述べた。
「ごめん……じゃあ俺のは?」
俺がそう言うと、彼女は顎で自分の右ポケットとをクイッと指してきた。そこを探してみればあるではないかリタモートル!ダイヤのように多方にある傾斜で光を屈折しまくっている。その中央にある液晶パネルはライフ、マジックポイント、スタミナが表示されている。スクリーンをタッチするとそれが立体的に飛び出す。大きなパネルが目の前に現れたような形で表示され、とても近未来的だった。
「ねぇ…でもさ…」
唐突に口を開いたのは彼女で、でもさと言ったあとに口を閉じ、何かを決意したようにため息をひとつついた。そして
「ライフが0になったら?」
強気な彼女に少し怯えがあるようにも見えた。だけど、そうではない、怯えているのは自分だったのかもしれない。外の空気がより一層寒く感じた。