逃げまどう無辜の生きものたち。
虫も魚も動物も、わらわらと画面の外に逃げ出そうと、
健気に力をふりしぼっている。
第五福竜丸は何も知らずに、
死の灰を浴びながら鮪を引っ張っている。

中心に燃えあがる骸骨の背後にも、シルエットになって、
亡者の行列が小さな炎を噴きあげながら無限に続いてゆく。
その上に更に襲いかかる凶々しい黒い雲。

悲劇の世界だ。

「明日の神話」によせて
岡本敏子のメッセージ(一部)



岡本太郎さんの最高傑作といわれる
壁画「明日の神話」

今月18日、
恒久設置の場所が
東京都渋谷区に決まりました。


あ、決まったんだ。

うれしくなって、
その翌日19日、
富山県立近代美術館にいって
この作品に会ってきました。

原画が日本にのこっているのは4枚。
そのうちの1枚が、
富山の美術館に所蔵されているのです。

渋谷区におかれる壁画は、
高さ5.5叩幅30辰砲發よぶ大きさ。
美術館にあるのは小さめですが、
幅5辰版?呂あります。


この作品が描かれているのは、
原爆が炸裂する悲劇の瞬間。

視界がすべて作品でおおわれたとき、
たくさんの気持ちがこみ上げてきました。

どんな想いで光と炎に包まれたか。
被爆した人々、さまざまな生きものたちを感じ、
どんな想いでこの作品を描いたか。
岡本太郎さんをちかくに感じていました。

しかし、
たんなる悲しみ、憎しみの絵ではない。
人は苦しみさえものりこえることができる。
そして、その先にこそ「明日の神話」が生まれる。

という
強い強いメッセージが胸にせまってきます。


戦争は苦しみしか生まない。
苦しみをのりこえて、
人の手で平和をつくっていこう。

どこか
憲法9条とつながっていると
思えてなりません。

イラク戦争がはじまって5年をむかえる
3月20日を目の前にして、
平和の尊さ、人のたくましさ、美しさと
光さす未来を感じることができました。



■企画展 
 「戦後美術の断片 昭和は遠くなりにけり」
  2008年3月1日(土)~30日(日)まで。

富山県立近代美術館
http://www.pref.toyama.jp/branches/3042/3042.htm