4月21日(土)の夜。この日は大変だった。


ニューヨークに遊びに来ている父が、
深夜になっても家に帰ってこなかったのだ。


{25FA78D7-01AC-4D8D-AB52-FF4D058BD85B}
▲この写真は、セントラルパークを一緒にサイクリングした時のもの(この時は、桜をバックに満面の笑顔の父だったが。。。)


父はその日、20時から始まるオペラを観ていて、どんなに遅くとも23時には家に帰ってくる予定だった。


なのに、いっこうに帰ってこない!!!


しかもLINEをしても未読のままだし、
電話をしても繋がらない。。。


これは、何か事件に巻き込まれたに違いない。


もしかして、うっかり電車を乗り間違えて、治安の悪い地域に行ってしまい、怖いお兄さんに絡まれているかもしれない。


しかも父は英語をまったく話せないし、Wi-Fiの使い方をこれまで何回も教えてきたにも関わらず、未だ使いこなせてないから、今頃道に迷って途方にくれているのかもしれない。。。


そんな妄想が膨らんで、
私も、一緒に父の帰りを待っていた夫もだんだん不安になってきた。


特に心配性の極みみたいな性格の夫は、次第にピリピリしだし、


23時30分を過ぎると、


「なんで英語も話せないし携帯も使いこなせないお父さんを、一人で行動させるんだ!」と私に説教しだす始末。



「いや、私も今朝、父にオペラハウスまで迎えに行くよと提案したけど、断られたんだよ」と弁解する私。


滞在期間中、何回も行ってる場所だし、一人で帰れるから大丈夫、大丈夫!と父が強く言うので、私もついついその意向に従ってしまったのだ。


でも、そんな私の甘い判断で、父を一人で行動させてしまったがゆえに、父の身に何かあったらどうしよう。。。あの時、「いや、夜は危ないから迎えに行くよ」となぜ私は言わなかったんだろう。。。


と後悔し始め、胃が痛くなってきた。


その間も、何回電話しても繋がらないし、LINEも既読にならない。 


刻々と過ぎていく時間。。。


そうこうしているうちに、
その日の朝、父に冷たい態度をとってしまったことを思い出し、私は自己嫌悪に陥っていた。


実は、父が朝ごはんにラーメンを作ろうと、勝手に我が家のキッチンを使い、火事を起こしかねない事態を招いたので、朝イチでキレてしまったのだ。


さらに、朝なかなか起きてこない私に、父が小言を言ったことに対して、「疲れているんだから、土曜日ぐらいゆっくり寝させてよ!」と再びブチギレてしまった。


「冷静に考えてみると、こんなしょうもないことで怒った自分の器の小ささったら。。。あぁ、なんでもっと優しい言葉をかけてあげなかったんだろう。もしお父さんが帰って来ず、これでサヨナラだったら、一生悔やんでも悔やみきれないわ」


と泣きそうになっていると。。。





コンコン。コンコン。





とドアを叩く音がした。



夫が慌てて玄関の扉を開けると。。。







そこには「いや〜。。。遅くなってスイマセン」と申し訳なさそうな顔をしながら立つ父が。



その顔を見て「あーーー、無事でよかった。。。」と安堵するとともに、



「お父さん、もう夜の12時だよ!なんで遅れるって連絡してくれないのよ!」

と怒る私。



父曰く、オペラが長引いたのと、電車がなかなか来ないのとで、帰宅時間が大幅に遅れ、


さらに、携帯が壊れてしまって連絡できなかったのだという。



確かに、父の携帯を見ると、画面が虹色になっていて、ピーーーーという音がなっている。



てか、携帯ってそんな簡単に壊れるもんですか?しかもなんでこのタイミングで壊れるの?



とホトホト呆れていると



「そういえば、4月22日になったね!かなちゃんお誕生日おめでとう!」と父。



そう、父が帰ってきたタイミングで、ちょうど深夜12時になり、私の誕生日である4月22日になったのだ。


けれど、この23時から24時の間に、不安と後悔、自己嫌悪、安心、怒り、呆れという感情をジェットコースターのように一気に味わったので、



「誕生日おめでとう」と祝福されても、ココロが疲れ切ってしまっていて、最初は素直に喜べなかった。



でも、この父が私を長年育ててくれたからこそ、今の自分がいるし、


そんな父とニューヨークで誕生日を迎えることができたって、貴重な人生の1ページではないか!?


数年後に振り返ったら、この迷子騒動でグッタリしたことも、きっと笑い話になるし、私たち親子にとって忘れられない思い出になるかもしれない。


そう考え直して、最後は感謝の気持ちで締めくくった、父の迷子騒動 in NY、からの33歳の誕生日だった。



今年は、環境が大きく変わる予定なので、それに合わせて私の人生もガラっと変化する気がする。
 

新しい自分に出会えることを楽しみに、日々ごきげんに、精進していこうと思う。うすっ!(気合い)