14時。
校長先生と担任の先生との約束の時間。
職員室のノックすると・・・校長先生が座っておられました。
「Sさん、わざわざご足労かけてすみません。こちらへ・・・」と通されたのは校長室。
私が現役小学生だったときには、校長室なんて入ったことなかったけど、息子が通うことになってから2度も通されたって・・・なんだか変!?
主人と「校長先生が、話し始めるまで黙っていよう!」と決めていたので、ご挨拶をして沈黙・・・
すると、校長先生が口を開いた!
ドキドキ・・・![]()
「入学されてから間もなく1年になります。私たちはRくんの情報をいただきながら、今まで話す機会を設けず、こちらで持ち合わせている知識と、ご両親からいただいたアドバイスや資料で、一応の支援をしてきたつもりです。
担任からはRくんの教室での様子も聞いていましたし、私も注意してみております。懇談会で担任からお話していますとおりの学校生活を送っておられるわけですが、Rくんはこれまで、学校に楽しんで登校してきてくれているのでしょうか?私たちが気づいていないことで、しんどい思いをしていないでしょうか?」
このようにお話が始まりました。
「担任から今一度、これまでの様子を伝えてもらって、一つずつ考えていきましょう。」とおっしゃり、担任が学習面や集団生活、学級活動について、息子がどう過ごしているのかを詳しくお話ししてくださいました。
入学時に手渡した『ボクのことを知ってください』という、息子についての特徴をまとめたプリントに沿って、「これに関しては、周囲のお友達と比較すると、もうひと頑張りです」とか「ご心配されていたことはなく、かなりの努力が見られます」などなど、いろんな見直しもしてきました。
先生方が持ち合わせている『アスペルガーの子』という概念をひっくり返すような子だと言われましたが、やはり感覚過敏なことや、融通が利かない、こだわりがある、大人びたしゃべり方をする、周囲に『博士』と言われるほど興味のあるものに関しては物知りだ・・・など、典型的な特徴も持ち合わせているのも、紛れもなく息子であるということを主張してきました。
先生がご存じの『アスペルガーの子』の物差しから外れているから支援が不必要だ・・・とは思ってほしくないので、入学当時から今まで一貫して息子が『困っている』と感じていること、それを解決できればパニックは避けられることを正直に言いました。
また、学年が変わり、担任も変わるとなると変化が多いので、可能ならば担任は新しく着任された先生ではなく、今いらっしゃる先生であれば、安定するかもしれないと言ってきました。
今の状態がパーフェクトではないということは、先生方が理解してくださっているということは伝わりました。
クラスが騒がしく、勉強ができないという状態は、学校側の努力が足りないのであって、息子を一人で静かな場所に移動させるということはよくないとも言ってくださいました。
これからまだ小学校生活が続くので、困ったときにはすぐに担任か校長に伝えてほしいとお願いされました。
学校でできること、一緒に考えて解決できること、かかりつけの先生にお知恵を借りること、可能なことは最大限に息子のためにしますと約束してくださって、少し安心しました。
私たちが予想していた『総合育成支援員』の必要性や『支援学級』のこと、『通級』などは、その言葉すら出てこないお話合いでした。
鎧をつけて出向いたけど、取り越し苦労に終わった今日の学校でした。