今回は、なぜ食事に気を付ける必要があるのか、根本的な理由についてとりあげます。
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知的生きかた文庫 森下敬一 三笠書房発行年月:2005年07月 ページ数:268p サイズ:文庫 ISBN:9784837974987 森下敬一(モリシタケイイチ)医学博士。1950年東京医科大学卒業。お茶の水クリニック院長、国際自然医学会会長、中国・瀋陽薬科大学客員教授、吉林省気功保健研究所客員教授(名誉所長)、グルジア・トビリシ国立医科大学名誉教授、旧ソ連グルジア・アプハジア・アルメニア各長寿学会名誉会員。新しい血液生理学を土台にした自然医学を提唱し、国際的評価を得ている。慢性病、難病に苦しむ数多くの人々を根治させた実績をもつ、わが国自然医学の最高権威(本データはこの書籍が刊行された当時に
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”なぜ人は食べるものに気をつけなくてはいけないのか?”
本によりますと、人間の体の構造に合った食べ物を食べないと健康を保てないからです。
<人間の体の特徴>
・歯並びは草食動物である
・肉食動物と違って、消化液は強力なタンパク分解酵素を持っていない
・草食動物系の長い腸を持っている
・草食動物がもつ盲腸を持っている
消化状態を左右する要素
同じ食べ物を食べても人によって以下の活性度が違うと消化具合も違う。
・唾液の酵素の活性度
(炭水化物の消化を促す酵素のプチアリンは、普通の胃腸薬より効果を持つ。
それで、消化を良くするため、食べたり飲んだりするときはよく噛むと良い)
・胃から分泌される酵素の活性度
・胃液の分泌量
・十二指腸、すい臓から分泌される消化液、胆汁
・腸内の乳酸菌の量
(肉食、甘いものは、ビタミンB破壊酵素であるアノイリナーゼ菌を繁殖させる)
それで、体の構造に合わない肉・卵・乳製品を摂取すると、
以下のように、肝臓、腎臓、自律神経がおかしくなるそうです。
また、化学物質(化学調味料、食品添加物、化学薬剤、農薬、中性洗剤、白砂糖、精製塩など)も肝臓、腎臓を傷めつけるそうです。
1.肝機能障害
肉→炭水化物→蛋白質 と、タンパク質になる前に、本来なら不要な炭水化物への還元という余計なプロセスを経るので、胃腸の疲労度を大きくし、肝臓機能障害へとつながる。
2.腎臓の障害
腸内で消化吸収されず異常発酵し、血液が酸毒化し、細胞の機能障害が全身で起きる。
特に浄血器官でもある腎臓は汚れた血の処理負担が大きくなり異常をきたす。
3.自律神経失調
血液の酸毒化により、敏感な神経のつなぎ目であるシナプスや末端の働きが混乱する。
●インドの国立栄養研究所でイギリス人栄養学者が行った実験●
時代は知りませんが興味深い話なのでご紹介します。
<内容>
ネズミ約千匹を、A,B,Cの3つのグループに分け、2年7か月(人間の50~60年に相当)、異なる食事を与え、その後、体を解剖して結果を見たという実験です。
<結果>
Aグループ:
パキスタン最北端の平均寿命150才ぐらいのフンザ地方の食事を与える。
精白していない麦粉を水で練って棒で大きく広げて焼いたチャパティー+野菜+果物少々。
肉食はしない。
⇓
すべてのネズミが健康体
Bグループ:
インドの食事=穀物+野菜+肉+香辛料
⇓
半数が病気。多いのは胃腸の炎症、肝臓・腎臓の病気、虫歯、脱毛
Cグループ:
洋食=清製粉のパン+ハム+ソーセージ+バター+チーズなど
⇓
全部のネズミが、Bのどれかの病気を持っていた。また、胃腸、腎臓、肝臓の全部の病気を患っていたネズミもいた。弱ったネズミを、元気なネズミが食べる共食いでネズミの数が2割減った。精神異常も引き起こした。
以上はネズミだけでなく、人間にも当てはまりますので興味深い結果です。日常生活の食事がいかに大切かを示しています。
人間も、体の構造に合わない肉、卵、白米、白砂糖などを食べていますと、次第に胃腸の働きが悪くなり、便秘がちになり、腸内の腐敗から、アレルギー反応で、最初は、だるい、疲れる、湿疹が出る、などの症状からだんだん深刻な病気になっていきます。
●それでは、どうするのか?●
以下のような食事に変えていけば良いのです。
●基本食
*玄米・野菜
*自然食品:大豆製品(グルテンミート、豆乳、豆腐など)、海藻類、小魚
*調味料:本物の味噌、醤油、黒砂糖、純粋の蜂蜜、植物油、自然塩
*間食:せんべい、クッキー、ゼリー、ジュース、木の実
*発酵食品:乳酸菌飲料、納豆、酒、漬物
●基本食で足りないものも同時に補う
*プルーン
(理由)
・日本の国土はミネラル不足
・ビタミンB1を消耗しやすい環境
*胚芽
玄米(精白していない米)、全粒粉(精白していない麦)のパンを食べる。
・健胃・整腸・強肝作用で老廃産物を排出するので血液性状を性状に戻す
・植物性不飽和脂肪酸で、血中のコレステロールの低下、動脈硬化予防、血管の若返り
・腸の働きがよくなり便秘解消
⇓
・疲労を感じなくなる
・視力の回復
・毛髪が黒くなる
*葉緑素
・傷の治りを早める
・傷口の乾燥、患部の脱臭
・病菌の活動の弱体化
・アレルギー反応を鎮める
・新陳代謝を促し、細胞を若返らす
・消化器系疾患の治療・予防(胃潰瘍、胃酸過多など)
*酵素
食品では、味噌、醤油、納豆、漬物、甘酒など発酵食品の酵母菌が該当。
しかし、現代人は酵素の働きを阻害する白砂糖、精製塩、食品添加物入り加工食品を摂っているので、発酵食品だけでは足りていない。それで酵素も追加する必要がある。
酵素は、老廃産物の処理、血液浄化、基礎体力の向上を行う。
(腸内の十分な乳酸菌の増殖、消化作用を促し、血液の浄化)
精白食品のミネラル不足には、胚芽、葉緑素で対応し、
動物性食品による腸の疲れは酵素で対応すると良い。
以下は体の状況に合わせて必要なら追加する。
*ローヤルゼリー
*高麗人参
*ミネラル食品
*薬草茶
以上が、マクロで見た自然医食の理屈です。